解析設定

SimSolidは、独自のアダプティブ計算を採用し、最高の精度を実現する必要がある領域で解を自動的に高精度化します。複数の解法が実行され、それらの解法ごとに精度が測定されます。その結果に応じて、局所的に精緻化した方程式が使用されます。手動で指定する必要があるのは、ソリューションパスの最大数といくつかのオプション設定のみです。

アセンブリ全体に設定を大域的に適用できるほか、個別のパートのグループに設定を局所的に適用することもできます。したがって、システム全体の応答を確認したうえで、特定の領域に絞り込んで詳しく解析できます。

解析ごとに別々の設定を指定できます。解析の比較と解の収束を検討するうえで、これは効果的な手段です。

設定を調整するには、ダブルクリックまたは右マウスボタンのクリックでEditメニューを選択します。次の3つのアダプティブ計算方法のいずれかを選択します。

Global: 一般的な荷重経路予測、各種モード、熱解析に最適なオプションです。3つのアダプティブパスおよび薄肉ソリッドアダプトが使用されます。リファインレベルを標準に設定します。全体的なアダプティブ計算のみが使用されます。通常は、最速の解法です。
Global + Local: より精度の高い応力計算に最適です。4つの適応パス、フィーチャーアダプト、および薄肉ソリッドアダプトが使用されます。パートとセグメントの相対的なボリュームに基づいて、自動的にローカルグループを作成します。したがって、グローバルおよびローカルアダプティブにも使用することができます。リファインレベルを標準に設定します。
カスタム: これは、最も汎用的な目標です。すべての制御要素を個別に設定できます。アセンブリ全体で精度を高くするには、アダプティブパスを多くします。解の高精度化では、これが主要な制御手段になります。7つ以上のアダプティブパスが必要になることはほとんどありません。より高い精度を実現するには、パートに対する局所的なアダプティブ計算とします。

個別設定の制御

以下の個別設定を制御できます。

Adapt to features – 局所的なフィーチャーで応力勾配領域に対してより強力なアダプティブ計算をする特別なロジックを使用します。構造線形解析および非線形静解析にのみ適用します。モーダル解析や熱解析では使用されません。
Adapt to thin solids – カーブした薄肉ソリッドの断面で高い表現精度が得られる特別な関数を提供します。ベストプラクティスは、パート単位で局所的に使用することです。
Refinement level – パートのグループに対して局所的に高水準の精度を実現します。3つの精度水準として、standard、increased、およびhighを使用できます。
重要: 解析設定は、アダプティブ計算の方法を定義し、選択したパートグループの範囲で適用されます。
全体的な解析設定は、精度に対する要件がすべてのパートでほぼ等しいという前提で、アセンブリ全体に対する解の高精度化方法を定義します。グローバルソリューション設定のスケールは、アセンブリ全体のサイズで、ソリューション設定ウィンドウでGlobalを選択すると有効になります。局所的な解析設定は、パートまたはパートのグループに対する解の高精度化方法を定義します。設定のスケールは、グループでのパートのサイズで、これを有効にするには2つの方法があります。1つは、Global + Localソリューション設定を選択することで、パート相対的な体積によって自動的にグループ化されます。もう1つの方法は、カスタムソリューション設定を選択する方法です。ローカルグループは、新規グループを選択して手動で作成するか、パートボリュームによるグループを選択して自動的に作成することができます。
パートボリュームのグルーピングは、アセンブリの総ボリュームに基づいて自動的に行われます。全容積の10％を占めるパートはグループ化されます。例えば、上位10％がグループ1、10～20％がグループ2となります。
同じ解析設定であっても、アセンブリ全体に適用した場合と特定のパートに適用した場合とでは精度に対する効果が異なります。局所的な設定は、その範囲が狭いことから、特定のパート群に対して必ず大きな効果を示します。これにより、全体的な解析から着手して局所的な解析に移行し、特定の領域を中心としたアダプティブ計算を高精度化することが容易になります。

注: 解析または設計スタディがコピーされると、各解析に関連付けられた解析設定がコピーされます。新しいジオメトリがインポートされることによって、新しい設計スタディが作成された場合は、グループ内の少なくとも1つのパートがベースライン設計スタディ内と同じであれば、カスタムソリューション設定で作成されたローカルパートグループが残ります。すべての新しいパートがグループ1に追加されます。ローカルパートグループがGlobal + Local ソリューション設定を使用して作成された場合、設計の変更に関係なく、相対的な体積に基づいて自動的にパートがグループに分離されます。

ソリューション設定使用ロードマップ

解析設定の推奨用途を以下に示します。

システム全体の荷重経路の検索: グローバルアダプティブを使用します。
局所応力スタディの検討: 局所的なパートグループを使用します。これには、上で説明したように2つの方法があります：グローバル＋ローカルとカスタム。
要確認: パートグループ設定は、局所的なパートグループの範囲で適用されます。
解収束全体の調査: アダプティブパスを多くしてモデルを再実行します。3～9の範囲でパスの数を設定できますが、7以上の設定が必要になることはほとんどありません。これは、カスタムソリューション設定を使用して行うことができます。
カーブした薄肉ソリッドの検討: Adapt to thin solidsチェックボックスを選択します。これは、局所的なパートグループを使用して、パート単位で最も効果的に機能します。