理論的背景

SimSolidの理論的背景とそのソフトウェア実装ワークフロー、および従来の有限要素解析で使用されている他の方法との比較。

初期研究の概要

20世紀初頭に境界値問題の近似解を求めるために考案されたRitz-Galerkin法では、解を近似する関数が、関心領域全体に対して定義した解析関数であることを前提としています。実用的な用途では、このような関数は三角関数と多項式関数であり、どちらも無限に滑らかな関数です。つまり、その導関数が無限個数の値を持つ関数です。これらの関数には主に2つの問題がありました。まず、任意の領域の境界上で必須境界条件を演繹的に満足するようにこのような関数を構築することが困難または不可能でした(構造解析では、変位拘束としてこのような条件が見られます)。次に、このような関数で構築した方程式系は悪条件となり、数値的に不安定で、現実の問題を十分な正確さで解くことができませんでした。

1950年代に登場した有限要素法(FEM)は、従来からのRitz-Galerkin法の考え方を別の方法で実現したものですが、制約の問題と数値的な不安定性の問題双方の解決に成功しています。その理由は、有限要素と呼ばれる局所的な処理を実行する関数を一貫して使用していることにあります。局所的には、有限要素の基底関数は無限に微分可能な標準多項式関数ですが、局所的な多項式関数から組み立てた大域的な基底関数は、まったく滑らかではありません。その一次導関数でさえ不連続です。有限要素法の成功によって、近似関数の連続性に対する要件は、ある一定の次数まで満足されていれば良いということが証明されました。この一定の次数とは、境界値問題のエネルギー汎関数にその近似関数を代入したときに、有限なエネルギーを得ることができる十分な次数を指しています。このような関数の空間は、1930年代にSobolevによって紹介され、研究されています。

近似関数に対する連続性の要件を緩和する次のステップは、外部近似の概念の導入でした[式 1]。この“外部”という語は、次の文脈で使用されています。エネルギーが有限な近似関数がSobolev関数空間に属している場合、その近似は“内部”近似と呼ばれます。これは、近似を高精度化しながら、厳密解に向かって解が収束していく過程で、近似関数が常にSobolev空間内部に存在しているということです。一方、外部近似では、高精度化の各ステップで近似関数が必ずSobolev空間に存在しているとは限りません(この場合の近似関数のエネルギーは無限大です)。しかし、自由度(DOF)の数が無限大に近づく極限では、極限関数がそれに対応するSobolev空間に存在している必要があります。つまり、必要な滑らかさの特性を極限関数で回復している必要があります。外部近似の抽象理論が参考文献[式 2]で展開されています。

SimSolidの技術的な基礎は参考文献[3]で公開されています。そこでは、外部近似の抽象理論が展開されています。参考文献[2]では、有限要素の各要素が絶対的に任意の形状であるという前提の下で、特定条件の近似に有限要素による外部近似を適用しています。その結果、有限要素による外部近似の必要十分条件が確立され、収束の各法則が証明されています。また、その各法則が建設的であることも示されています。つまり、外部近似の特質を定義するにとどまらず、外部近似を構築するための仕組みも紹介しています。

理論的背景

抽象的な境界値問題は、次の方程式を満足する関数 U MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacaWGvbaaaa@39B1@ を求めることとして定式化されます。

A U = h  inside the domain  Ω MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacaWGbbGaamyvaiabg2da9iaadIgacaqGGaqcLbuacaqGPbGaaeOB aiaabohacaqGPbGaaeizaiaabwgacaqGGaGaaeiDaiaabIgacaqGLb GaaeiiaiaabsgacaqGVbGaaeyBaiaabggacaqGPbGaaeOBaOGaaeii aiabfM6axbaa@4F1F@
L U = g  at the domain boundary  Γ MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacaWGmbGaamyvaiabg2da9iaadEgacaqGGaqcLbuacaqGHbGaaeiD aiaabccacaqG0bGaaeiAaiaabwgacaqGGaGaaeizaiaab+gacaqGTb GaaeyyaiaabMgacaqGUbGaaeiiaiaabkgacaqGVbGaaeyDaiaab6ga caqGKbGaaeyyaiaabkhacaqG5bGccaqGGaGaeu4KdCeaaa@536F@

A MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacaWGvbaaaa@39B1@ L MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbwvMCKf MBHbqefqvATv2CG4uz3bIuV1wyUbqedmvETj2BSbqefm0B1jxALjhi ov2DaebbnrfifHhDYfgasaacH8srps0lbbf9q8WrFfeuY=Hhbbf9v8 qqaqFr0xc9pk0xbba9q8WqFfea0=yr0RYxir=Jbba9q8aq0=yq=He9 q8qqQ8frFve9Fve9Ff0dmeaacaGacmGadaWaaiqacaabaiaafaaake aacaWGvbaaaa@39B1@ は微分演算子です。

境界値問題の中には、関数 U を求める変分形式で同様に定式化できるものがあります。この関数からは、最小値における汎関数 F ( U ) が得られます。通常、汎関数 F ( U ) はエネルギー汎関数です。

1908年、いくつかの基底関数の一次結合で境界値問題を近似することにより、その問題の近似解を求める方法がW. Ritzによって提案されました。

U h = i n a i p i

a i は未知の因数、 p i は基底近似関数です。

因数 a i は、次のエネルギー汎関数を最小化することによって得られます。

F ( i n a i p i ) = min

境界値問題が線形であれば、最小化問題(式 4)は次の因数についての線形代数方程式系に簡約できます。 a i

K d = f

Kは対称マトリックス、dは未知の因数のベクトル、fはこの方程式系の右辺です。

有限要素法では、Kは剛性マトリックス、ベクトルfは荷重ベクトル、因数 a i は自由度とそれぞれ呼ばれます。

1915年、境界値問題を解くための別の近似手法がGalerkinによって提案されました(式 1)-(式 2)。このGalerkin法によれば、未知の解Uは次のように近似されます。

U n = U 0 + i n a i p i

U 0 は、非同値境界条件(式 2)を満足する何らかの関数、 p i は、同値境界条件を満足する解析近似関数、 a i は未知の因数です。

式 6)を(式 1)に代入すると、次の残余が得られます。

R = A U 0 + i n a i A p i h

未知の因数 a i は次の方程式系から求めます。

Ω R p i d Ω = 0

境界値問題が線形であれば、系(式 8)は線形代数方程式の系となります。

Galerkin法では、境界値問題の変分定式化を使用していません。したがって、その適用範囲ははるかに広くなっています。

Ritz法とGalerkin法は、工学と科学の問題を解くうえで効果的な手法であることが明らかになっています。同時に、これらの手法はその数学的正当性の確立に困難がありましたが、数学分野としての汎関数解析の導入で解決されています。

最新のRitz-Galerkin法は、境界値問題の弱形式化の概念に基づいています。境界値問題の弱形式化では、対応するSobolev空間で次の抽象変分方程式を満足する関数を u V から求めます。

a ( u , v ) = f ( v )  for any function  v V

V はSobolev空間の何らかの部分空間、 a ( u , v ) は一般的に空間積 V × V , f ( v ) 上で連続している非対称バイリニア形式、は V での何らかの1次形式です。

構造解析では、有限なひずみエネルギーを持つ関数の空間がSobolev空間です。

Ritz-Galerkin法では、空間 V は何らかの有限次元空間 X h で近似され、近似解は形式(式 3)で求められます。この形式では、関数 p i は空間 X h に属します。したがって、境界値問題の離散化定式化は次のようになります。

次の方程式を満足する関数 U h X h を求めます。

a ( U h , V h ) = f ( V h )  for any function  V h X h

式 3)を(式 10)に代入すると、線形代数方程式系が得られ、そこから未知の因数 a i が求められます。

旧来のRitz-Galerkin法では、 X h は、領域 Ω 全体に対して定義した解析関数の空間であり、因数 a i に物理的意味はありません。従来の有限要素法では、 X h は区分的多項式の空間であり、因数 a i は、有限要素の各節点での関数 U h の値です。構造解析では、これらの因数は各節点の変位です。

Ritz-Galerkin法には、多数の修正が行われてきました。これらの修正には、変分方程式(式 9)が異なるものや、解の近似に使用する基底関数(式 3)のクラスが異なるものがあります。同じ境界値問題に、空間 V が異なる等価な定式(式 9)がいくつか存在することがあります

有限要素による外部近似

すでに説明したように、内部有限要素近似は、Sobolev空間に属する関数を基本として構築されています。このような関数は、内部要素の境界上で一定の連続性条件を満足している必要があります。例えば、弾性問題の2D理論と3D理論を考慮する場合は、これらの関数が有限要素間で連続している必要があります。平面の曲げ問題では、関数だけではなく、その一次導関数も同様に連続している必要があります。

連続性の条件には厳しい制限があります。標準的な補間多項式を有限要素の基底関数として使用した、きわめて簡潔な形状の有限要素でのみ、連続性の条件を満足できます。この多項式は、要素の各節点に関連付けられています。要素間の互換性を実現するには、同じ補間関数を使用して各有限要素の形状を表現します。カーブした境界の場合は、標準的な要素へのマッピングを使用して、この互換性を実現します。有限要素のジオメトリとその近似関数は密接に関連しています。

有限要素の近似品質向上を目指して、非互換有限要素が考案されました。非互換要素では、標準形状を持つ要素の補間基底関数に標準以外の多項式が豊富に使用されています。これらの追加された関数によって要素境界間に非連続性が発生しますが、多くの場合、非互換有限要素では、互換有限要素よりも高い精度が得られます。これによって、収束を数学的に実証するうえでの困難および結果の不一致が発生しています。

有限要素による外部近似の包括的な理論が参考文献[式 3]で展開されています。この理論では、領域 Ω の部分領域であって任意の形状を持つ領域の表現に“有限要素”という語を使用しています。したがって、有限要素の定義は、標準的な形状やマッピングによって標準要素から取得した他の形状に限定されていません。領域 Ω の全体が1つの有限要素と見なされます。したがって、アセンブリの場合、有限要素法の用語では、アセンブリを構成するパートを1つの“有限要素”とすることができます。また、有限要素内部の近似関数は任意の形態をとることができるという前提もあり、関数を多項式にする必要はありません。唯一の要件は、これらの関数がそれぞれに対応するSobolev空間に属することです。したがって、要素の内部では十分に滑らかであることが必要です。

この理論で実行すべき作業は、上記の前提に従って構築した近似が外部近似になる条件を求めることでした。つまり、Sobolev空間の“外部”から近似が境界値問題の厳密解に収束するための条件です。外部近似が得られるための必要十分条件が求められました。この条件は偶然にも建設的なものでした。その定式化では、この条件を満足する有限要素の構築方法も暗示されていたからです。収束理論と誤差見積もりが実証済みです。

有限要素近似が外部となるための必要十分条件が以下のようになることが示されています。

δ , γ U = 0

<,>は、要素間境界に対して定義した特定の汎関数空間の双対性を表現する内積、 δ γ は何らかの演算、 U は要素内部で定義した近似関数です。

これを見てわかるように、条件(式 11)は、境界値問題(BVP)の定式化にも、BVPの解法(Galerkin、Ritz、Trefftzなど)にも関連していません。この条件によって、極限近似関数が対応するSobolev空間に属することを保証する有限要素の基底関数に制約が課されるため、この条件は必要な滑らかさの特性を備えています。

したがって、GalerkinやRitzなどの解法を選択する前であっても、重要な特性を備えた有限要素空間を構築できます。これらの特性は、“ないよりはあった方が良い”ものにすぎないこともあります。例えば、弾性問題を解くときに、平衡を大量に実現する関数を使用する必要はありません。しかし、このような関数を使用することで精度が向上し、DOFの数が減少するので、効果的な場面もあります。一方で、きわめて重要な特性もあります。例えば、非圧縮性材料では、発散しない関数でのみ、無条件に安定した解が得られます。

双対性を表現する内積から他の関数空間での内積に至る連続性によって、次のように条件(式 11)を拡張できます。

( g , γ U ) = 0

g は、要素間境界に対して定義した関数です。この関数を境界関数と呼びます。境界関数は、サーフェスのパラメータの関数であり、境界のDOFを生成します。このDOFは、境界関数と有限要素の基底関数との積を有限要素境界にわたって積分した値です。

Γ g k γ U d Γ = 0

Γ は有限要素の境界、 g k は有限要素の境界に対して定義した関数、 U は要素について近似する関数です(構造解析における変位など)。

比較のために挙げると、有限要素法における自由度とは、有限要素の節点 i における関数 U の値です。

U ( x i , y i , z i )

式(式 13)にある関数 g k は、要素境界に対して定義した関数の有限次元空間 G h にある基底関数です。これらの関数は任意の形態にすることができますが、唯一の要件として、空間 G h は境界関数の空間で密であることが必要です。つまり、境界関数の空間で収束できる必要があります。この収束できる状態は、 g k が、要素境界に対して定義した多項式または区分的多項式の場合に容易に実現します。

汎関数(式 13)を境界自由度(DOF)と呼びます。この汎関数に物理的な意味はなく、境界DOFが無限大に収束する状況に適合できる有限要素の空間にある近似関数を表しています。境界DOFは、要素間連続性の条件と必須の境界条件が成立するための要因となります。アダプティブ解析では、収束条件が成立するように、境界DOFの数が自動的に管理されます。

境界DOF(式 13)は、外部近似を構築するときに生成される唯一のDOFではありません。境界DOF以外のDOFは、要素のボリュームと関連していることから内部DOFと呼ばれます。有限要素に解の近似を構築するときに、内部DOFが自動的に定義されます。最後に、要素に対する関数の近似は次のようになります。

U h = i n a i ( U ) p i + k N ( Γ g k γ U d Γ ) p k

a i は要素の内部DOF(いくつかの因数)、 p i は内部DOFの基底関数、 Γ g k γ U d Γ は境界DOF、 p k は境界DOFの基底関数です。

基底関数 p i p k は、有限要素の近似関数の有限次元空間 P を構成します。収束するには、空間 P が完全である必要があることが実証されています。例えば、多項式空間の場合、アダプティブ反復に割り当てられた一定の次数までの多項式がすべて、その空間に存在している必要があります。

有限要素の形状は任意なので、その要素の基底関数は事前定義されていません。解法の実行に伴って、その場で基底関数が構築されます。アダプティブパスで事前定義されるのは、要素の近似関数の空間 P 全体です。アダプティブパスで要素の基底関数を構築するアルゴリズムは次のように機能します:
  • 一連の境界関数 g k が定義されます。
  • すべての汎用基底関数を収めた一群を選択することによって、要素の近似関数の空間 P 全体が定義されます。多項式空間の場合、ある一定の次数の多項式を収めた空間全体が指定されます。例えば、3D問題の汎用2次多項式は次のようになります。
    • { 1 , x , y , z , x 2 , x y , y 2 , x z , z 2 , y z }
  • 部分領域の剛性マトリックスを評価するときは、解法の際に、部分領域ごとにその場で汎用基底関数が自動的に生成されます。
  • 複数の線形代数方程式から成る一定の系を解くことにより、基底関数 p i p k が自動的に求められます。

要素の基底関数を求めた後、要素のボリュームにわたってエネルギーを積分することおよび要素の境界にわたって荷重を積分することによって、従来の有限要素法と同様に、要素の剛性マトリックスと荷重ベクトルが評価されます。

ジオメトリと関数の切り離し

ジオメトリと関数の切り離しは、SimSolidのテクノロジーで中心となる機能です。上記で説明したように、任意の要素の基底関数は、解法の際に、その場で汎用基底関数から構築されます。汎用関数の構築で要素のジオメトリ表現が使用されることはなく、汎用関数で要素の形状が決まることもありません。要素の近似関数の空間 P に対する唯一の要件は、 P が、境界値問題の定式化に関連する該当のSobolev空間の部分空間であることです。したがって、1次独立な汎用基底関数であれば、その任意の組み合わせを使用できます。

ジオメトリと関数の切り離しは、優れたパフォーマンス、精度、堅牢性を実現し、コンピューターリソースの使用量とモデリングエラーを低減する重要な機能であることが実証されています。特定の問題の正確な解を求めるときやアダプティブ解析を管理するときに、次の顕著な利点が得られます:
  1. 境界値問題の近似解を無条件で安定した状態で実現する特殊な近似を構築できます。例えば、SimSolidでは、非圧縮性材料製パートのシミュレーションに、非圧縮性条件を正確に満足する発散しない関数が使用されます。発散しない3次の汎用3D関数の例を以下に示します。 ( u , v , w ) は変位成分です。
    • u=x z 2 ,v=y z 2 ,w=0 u=3x z 2 ,v=0,w= z 3 u=2xyz,v= y 2 z,w=0 u=xyz,v=0,w=y z 2 u=x y 2 ,v=0,w= y 2 z
  2. 隣接するパートは、クラスが互いに異なる近似関数を持つことができます。例えば、圧縮性材料製パートと非圧縮性材料製パート(ゴムのインサートや液体で満たした空洞)が混在するアセンブリの場合、非圧縮性材料の近似関数は、特殊な発散しない関数として構築されます。隣接した圧縮性材料製パートに対しては、標準多項式のような正則関数が使用されます。
  3. この場合は、境界値問題の支配方程式を演繹的に満足する基底関数を必ず使用できます。この支配方程式により、高い精度を実現し、DOFの数を少なくすることができます。例えば、熱構造問題を、該当する支配方程式の全面的に多項式による解を使用して解きます。
    ( λ + μ ) ε x + μ Δ μ = α Ε 1 2 v T x ( λ + μ ) ε y + μ Δ μ = α Ε 1 2 v T y ( λ + μ ) ε z + μ Δ μ = α Ε 1 2 v T z

    ここで、 ( u , v , w ) は変位成分:

    ε = u x + v y + w z λ = E v ( 1 + v ) ( 1 2 v ) , μ = E 2 ( 1 + v ) Δ = 2 x 2 + 2 y 2 + 2 z 2

    α は熱膨張係数、 E はヤング率、 v はポアソン比、 T は温度場です。方程式系(式 15)は非同値です。例えば、以下のとき:

    E = 1 , v = 0.25 , α = 1
    と温度場は単項式で記述されます:
    T = a x m y n z p
    a=1, m=0, n=2, p=3 の非均一問題の解は次のようになります:
    u = 0 , v = 0.1667 y z 5 , w = 0.4167 y 2 z 4 0.02778 z 6

    同値方程式(14)の多項式解の例を示します。

    u = 20 x 4 z 20 x 2 z 3 , v = 20 x 4 y z 20 x y z 3 , w = 8 x 5 60 x 3 z 2

    熱構造問題を解く場合は、温度 T の多項式近似を熱解析からインポートして、タイプ(式 20)の関数を要素ごとに生成し、タイプ(式 21)の汎用関数を使用して要素の基底関数を構築します。

    熱伝達問題では、対応する熱伝達の方程式を正確に満足する基底関数として調和多項式を使用します。3次の汎用調和関数を以下に示します。

    f = x 3 3 x z 2 f = x 2 y y z 2 f = x y 2 x z 2 f = y 3 3 y z 2 f = 3 x z 2 z 3

  4. これらの近似は、必ず物理座標空間に構築され、標準的な形状にはマッピングされません。したがって、解法全体を通じて汎用基底関数の特性が保持され、近似誤差発生源の多くを排除できます。
  5. 部分空間での解の近似には、必ずすべての基底関数が使用されます。つまり、特定次数の空間でどの関数も見過ごされません。例えば、5次の調和関数で解を近似する場合は、5次の調和汎用多項式がすべて、部分領域の近似空間で使用されます。これにより、高精度、アダプティブp法による解をグローバルとローカルに構築する容易さ、問題固有の新しいタイプの基底関数を実装する容易さが得られます。
  6. ジオメトリと関数の切り離しにより、大きさと形状の面で大幅に異なるパートで構成したアセンブリ(マルチスケールアセンブリ)を効果的に扱うことができます。
  7. 形状に関連付けた該当の特性を持つ特別な関数を部分領域の近似空間に豊富に置くことにより、集中した力、集中したクラック、応力集中などの局所的な効果を容易にシミュレートできます。