モーダル寄与率
モード形状
どの構造にも、いくつかの固有振動数で振動する傾向があります。各固有振動数は、モード形状という形状に関連しています。固有振動数で振動しているモデルは、その振動数のモード形状をとると仮定できる傾向があります。
動解析では、次の2つの関連する問題を検討する必要があります。
- 共振
- 入力荷重の励振振動数が、構造の固有振動数のいずれかと一致すると共振が発生します。この場合は、荷重によってモードが増幅され、大きな変位につながることがあります。
- 寄与率
- 特定の方向の力 / 変位を構造に加えたときに、あるモードが構造の応答にどの程度大きく寄与するかを表す尺度です。
したがって、励振が固有振動数と一致する可能性(共振の条件)があっても、そのモードの寄与率が0に近ければ、そのモードをとるエネルギーはなく、動的応答は発生しません。
SIMSOLIDでは、モードごとにモーダル寄与率、実効質量係数、累積質量係数を、指定されたグローバル座標またはローカル座標の参照フレームで計算します。
- モーダル寄与率
- モーダル寄与率は、指定の参照フレームにおけるモードと方向性励振との相互作用を数値化したスカラー値です。この値が大きいほど、動的応答への寄与が大きいことを示します。
- 実効質量係数
- 各モードに関連する実効質量係数は、系の質量のうち、指定の励振方向でそのモードに寄与する量を表しています。この値は、系の合計質量に対する比率で与えられます。したがって、実効質量が大きいモードは、一定の励振方向に対する系の応答に大きく寄与します。
線形動解析の一般的な通念として、合計実効質量の1~2%を超える質量が動的応答に寄与するモードを解析の対象とします。
- 累積質量
- モード“n”の累積質量とは、モード1からモード“n”までの実効質量係数の合計です。
線形動解析の一般的な通念として、励振振動の支配的な方向で累積質量が80%以上になるようにモードを選択して解析の対象とします。