風荷重

風荷重の理論

構造解析では、風によって構造に作用する力を風荷重といいます。風荷重は、地上からの高さや風速などの要因で左右されます。このような力が、構造や建築物の安定性と構造的完全性に大きく影響することがあります。SimSolidは、風速、空気の密度、方向性、摩擦抵抗、形状係数などの重要な要因を考慮することによって、構造に対する風荷重のモデリングで優れた能力を発揮します。SimSolidでは、このようなパラメータを取り入れることで、風に面したサーフェスに作用する圧力の評価を容易にして、構造たわみを正確に計算できるようにしています。

風荷重に対する重要な影響を検討するための指標が風プロファイルです。SimSolidでは、均等プロファイルと対数プロファイルの2種類をサポートしています。これらのプロファイルは、表面境界層の範囲で地上からの高さ(H)で見た風速の均等分布または対数変化を明らかにする数学モデルとして使用できます。



Figure 1.
対数風プロファイルでは、地上からの高さ(H)と風速(V)との関係を表す対数曲線上で補間点を以下の式で計算できます。
V(z)=uκln(H+1)
各値の意味は次のとおりです。
u
せん断速度(デフォルト値は約0.5)
κ
Von-Karman定数(デフォルト値は約0.41)
H
風速測定位置の地上からの高さ
法線方向から風を受けるサーフェスに対する風圧を次の式で計算できます。
Pwind=12ρairV2C
各値の意味は次のとおりです。
Pwind
風圧
ρair
空気の密度
V
風速
C
形状係数

風の方向と平行に置かれたサーフェスによる摩擦抵抗( Cf )を次の式で計算できます。

Pwind=12ρairCfV2C
摩擦抵抗係数のデフォルト値は0.01です。

Tip: Enable Shieldingチェックボックスには、コンポーネントを他のパートで遮られる風荷重から保護するための機能が用意されています。このチェックボックスをオフにすると、風荷重がすべてのコンポーネントに作用します。風力源に面したサーフェスがアセンブリの中で他のパートによって遮られているかどうかは無関係になります。