Altair SimSolid 2024.1 リリースノート

主な特長

  • 応答スペクトル解析
  • 変形形状の衝突検出
  • Neuber応力
  • クランプ接触条件
  • 台形形状のシーム溶接

新機能

応答スペクトル解析
応答スペクトル解析は、過渡事象に対する構造物の最大応答を推定するために使用される手法です。時刻歴の応答は利用できません。RSAは、従来の過渡解析と比較して、ピーク応答近似を提供するシンプルで計算コストの低い手法です。
絶対値和(ABS)、二乗和平方根(SRSS)、Navy research LaboratoryのSRSS(NRL)、完全二次結合(CQC)の4つのモード結合法を用いて解をサポートします。このソリューションでは、モーダル解析にリンクする必要があります。モーダル解析では、入力加振とその結果の応答の全周波数範囲を表現するのに十分なモードを求める必要があり、そのために計算量の大半を費やします。
変形形状の衝突検出
構造解析と複数荷重ケース解析の両方で、アセンブリ内のすべての変形パートで起こりうる衝突を検出する新しいポスト処理機能を利用できます。衝突は、ユーザーが指定したギャップトレランス内で検出します。このツールは、アセンブリ内のすべての変形パート間で起こりうるすべての衝突を表示し、一覧表示します。
Neuber応力
Neuber応力 / ひずみは線形構造解析で求めることができ、Neuber補正は近似的な局所塑性の評価に使用できます。この方法は、本格的な非線形解析を実行しなくてもNeuber応力 / ひずみが出力されるため、計算量が少なくて済みます。Neuberの結果を正常に出力するには、材料の応力-ひずみ曲線を入力する必要があります。
Neuber法は、局所的な塑性を捉えるために弾性結果を補正します。塑性変形が発生した際に、弾性応力/ひずみを実応力 / ひずみに変換するために使用されます。Neuberの法則を適用するには、弾性を仮定して切り欠き部の応力(KtS)を計算し、応力が材料の強度を上回った場合、材料の応力-ひずみ曲線上の点σに実際の応力が現れます。
1. Neuber補正


Neuberの法則によれば、弾性解の応力-ひずみ積は、実際の弾塑性解の応力-ひずみ積に等しくなります。数学的には次のように表されます:
K t S K t e=σε MathType@MTEF@5@5@+= feaahGart1ev3aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqiVu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaam4samaaBa aaleaacaWG0baabeaakiaadofacqGHflY1caWGlbWaaSbaaSqaaiaa dshaaeqaaOGaamyzaiabg2da9iabeo8aZjabgwSixlabew7aLbaa@44BB@
クランプ接触条件
非線形接触解析に新たにクランプ接触条件が設定できるようになりました。クランプ接触条件は、パートが法線方向にのみ整列することを可能にし、パート間のスライドを可能にします。パート同士をクランプするために、内部的に荷重が適用されます。クランプのグラフィックアイコンはオレンジ色の点群です。クランプ条件は、構造解析用のカスタム接触条件としてのみ利用できます。
台形形状のシーム溶接
シーム溶接作成において、従来の角柱形状に加え、台形形状も可能になりました。この機能は、ライン / エッジによる溶接とソリッドからの溶接の両方で利用できます。
この新しい溶接は、角柱形状の溶接部を作るのが難しい場合に役立ちます。

機能強化

複数荷重ケース
  • 重力、静水圧、並進および回転慣性、熱荷重、分布質量、体積膨張 / 収縮など、複数の荷重ケースにおける新しい境界条件がサポートされるようになりました。
  • 結果グラフに対応します。
  • 変形形状のエクスポートに対応しています。
疲労安全係数
疲労解析で新しい安全係数出力が利用できるようになりました。安全係数は、特定の目標寿命に対するスケーリング係数を計算するための逆計算によって疲労に対して利用できます。これは、疲労ソリューション設定を使用して行うことができます。
荷重のインポート
荷重のインポートがサポートされるようになりました。構造解析用の圧力、定常熱解析用の温度、流束、対流など、複数の荷重をCSVファイルからインポートできます。
複合材(ベータ)
  • 積層板内のプライに直交異方性材料を適用することができます。
  • 直交異方性材料の材料配向も適用できますが、平面形状に限られます。
分離/接近と接触非線形
接触条件が強化され、ロバスト性が上がりました。接近接触は、小さい領域内のギャップで機能します。分離 / 接近接触を使用すると、貫通は自動的に解消されます。
その他
  • パート情報は、アセンブリ内のいくつかのパートで利用可能です。
  • ECADファイルリーダーが更新されました。
  • スポット溶接の視覚化が改善され、2T、3T、4Tのスポット溶接を異なる色で視覚化できます。2Tスポット溶接は赤、3Tはシアン、4Tはピンクでハイライトされます。
  • エラーID 18をもたらすいくつかの数値的不安定性が解消するよう、シートアダプティブが改善されました。
  • CSVファイルからインポートしたデータの小数点以下の桁数を増やせるようになりました。

既知の問題

弊社では、継続的にソフトウェアのパフォーマンス改善に取り組んでおり、以下に示す既知の問題は、今後のリリースで対応する予定です。
  • 仮想コネクター下での線形ガイドジョイントの問題。

解決された問題

  • ラミネートの作成と編集は、ワークフローを改善するために再構築されました。
  • ユニットの適切な更新に関する問題。
  • 結果プロットに関する問題。
  • CSVファイルから材料データベースへの疲労材料特性のインポートに関する問題。
  • パフォーマンスの問題につながる、前のステップからのアダプティブの再利用に関する問題。
  • リモート荷重が修正時に適切に更新されるようになりました。
  • パート選択時の表示に関する問題。
  • 結合作成に関する改善。
  • シーム溶接作成に関する改善。
  • 解析準備中のステータスバー更新が適切に更新されない問題。
  • スポットに熱荷重が加わった場合のスポットの近似性の向上。
  • 変位に基づく励振で動的解析を実行する場合の結果量のラベルに関する問題。
  • 仮想コネクターの作成に関する問題と不整合。
  • ブッシュ座標系に沿った動的反力に関する問題。
  • エラーメッセージの改善。
  • プロットと結果の保存のおける矛盾性。
  • 境界条件の視覚化に関する問題。
  • 分布質量が適用されるフェイスへの境界条件の適用が可能になりました。
  • ローカルスタディにおける境界条件の適切な取り扱いに関する問題。
  • 形状非線形解析に関連した複素固有値解析に関する問題。
  • 材料データベースの選択に関する問題。
  • ラミネートのアセンブリ情報に関する問題。
  • ブックマークに関する問題。
  • ボルト力に関する問題。
  • いくつかのクラッシュが修正されました。
  • アダプティブの改良により、いくつかの不安定要素が解消されました。