Altair SimSolid 2022.3 リリースノート

主な特長

  • Linux HPC対応
  • きしみとがたつき
  • ECADリーダー
  • 非定常熱応力
  • 熱インポート
  • アラインメント
  • 仮想ケーブル/ロッド

新機能

Linux HPC対応
SimSolidは、新たなプラットフォームであるRed Hat Enterprise Linuxに対応しました。これにより、SimSolidのジョブをハイパフォーマンスコンピューティングクラスター上で実行することができます。これには、バッチモードのスクリプトを使用します。バッチモードで使用できる機能は、ジオメトリファイルのインポートを除き、すべてLinuxプラットフォームでもサポートされています。
SimSolidのユーザーインターフェースは、Linuxプラットフォームではまだサポートされていません。
きしみとがたつき
きしみがたつき機能により、エンジニアは設計の初期段階で製品のきしみやがたつきを迅速に特定し、除去することができます。非定常解析にリンクしてアクセスすることができます。アセンブリ全体にサンプリングポイントを作り、潜在的な問題を評価することで、きしみ、がたつきの問題を特定することができます。また、複数の応答をプロットすることで、より詳細な情報を得ることができます。
ECADリーダー(ベータ版)
SimSolidは、一般にECADファイルと呼ばれる電気系CADファイルのインポートに対応しています。現在、拡張子 .tgz.tar.zip.pcb.pcbdoc.xml.cvgの ECADファイルをサポートしており、これによりプリント基板を含む多くの電気系 CADファイルをインポートすることができます。
非定常熱応力
非定常熱解析の温度を利用して、熱応力や変形を解析することができるようになりました。時間ステップは、手動で定義するか、.csvファイルからインポートすることができます。
熱インポート
温度は .csv ファイルからインポートして、アセンブリ全体にマッピングすることができます。複数の時間ステップからの温度インポートにも対応しています。また、取り込んだ温度を構造解析と連動させ、熱応力解析を行うことができます。
アラインメント
アライメント機能により、接触面や円筒などの形状フィーチャーの位置合わせが可能です。”Align”という名称で、構造解析における新規の接触条件や境界条件として活用可能です。また、この機能により、パート間の干渉を解消することができます。
仮想ケーブル/ロッド
新たに、仮想ケーブルとロッドをサポートします。ケーブルは張力に対してロープに沿った剛性を、ロッドは張力と圧縮の両方に対してロッドに沿った剛性を表現することができます。剛性は、手動で定義するか、剛体として設定することができます。また、構造解析の境界条件として、ケーブル/ロッドへの予荷重もサポートします。
フェイスとサーフェスの結合
アセンブリ内のフェイスをピックして結合を作成し、接触ベースの結合を定義する新しいワークフローが利用できるようになりました。ギャップと貫通のトレランスを定義し、3段階の解像度が指定可能です。

機能強化

疲労
  • 疲労イベントにおいて、時間履歴全体を考慮するためにピーク ‐ バレー圧縮法をオフにすることができるようになりました。
  • 疲労解析に使用する材料は、疲労ソリューション設定を使用してカスタム定義することができ、設計スタディレベルで割り当られた材料とは異なる場合があります。
  • シーム溶接疲労解析において、溶接部の端までの結果を含むようになりました。
動解析
  • 周波数応答解析のための周波数関数に、振幅と位相の両方を含めることができるようになりました。
  • XYプロットで、X軸の対数スケールもサポートされるようになりました。
  • 周波数応答や非定常解析のために回転を抽出します。
シーム溶接
  • シーム溶接のポスト処理で、力だけでなく溶接応力も考慮するようになりました。スロート部に垂直な法線応力、溶接軸に垂直なせん断応力、溶接軸に平行なせん断応力の3つの応答が用意されています。
パフォーマンス
  • レビューや結合変更時のパフォーマンスが向上しました。
その他
  • 座標系のインポートに対応しました。インポートには、原点、X軸上の点、XY平面上の点の3点の座標が必要です。
  • 欠落したCAD材料をデータベースから置き換える機能が新たに追加されました。
  • リモート荷重に対応したリモートポイントの変位が使用できるようになりました。
  • 結合レビューにおいて、アスペクト比という新しい列が追加され、結合のサイズに対する接触面に見られるギャップ/貫通の比率が示されるようになりました。これにより、数値的な不安定さの原因となる結合不良を特定することができます。
  • エッジからサーフェスへの接続は、オーバーラップがない限り、アセンブリ内の既存の接続を置き換えるものではありません。
  • リモート変位は、リモート荷重と分離するためにリファクタリングされました。
  • ポストスタディでは、構造解析に加え、複数荷重ケースを含めることが可能になりました。
  • シートのジオメトリ適応が改善されました。
  • 材料データベースは、データベースとプロジェクト材料を分離するように改善されました。
  • ボルトとナットの締め付けは、両者を1つの境界条件にまとめるようにリファクタリングされました。
  • インストーラー InstallAnywhereが 、2022 R2にアップデートされました。
  • JREがCorretto 11.0.17.8.1に更新されました。
  • 仮想ブッシングのビジュアライゼーションが更新され、原点と結合面を結ぶ連結線が表示されるようになりました。
  • スポットに適用される仮想コネクターは、次の設計スタディでマッピングされるようになりました。
CADインポートフォーマットの更新
ファイルフォーマット サポートされているバージョン
Inventor(.ipt.iam 2023までのすべて

削除された機能

  • ジオメトリのインポート設定の「インポート時にパートのオーバーラップを常にチェック」オプションが削除されました。パートの重なりチェックは、これまで通り「ジオメトリの欠陥チェック」機能において利用できます。

既知の問題

  • 仮想コネクター下での線形ガイドレールに伴う問題。
  • 異なる方向の異なる関数で定義された基礎励振による動的な結果は、正しく変換されない。これは、今後のHotfixで対応する予定です。
  • 非定常解析のための力方向に沿ったリモートポイント変位が、異なる周波数に沿って変化する方向を考慮しない問題。

解決された問題

  • 弾塑性材料に関する改良を完了しました。
  • 荷重の異なる方向に沿って独立した関数が適用される場合の非定常解析結果に関する問題。
  • シートによる数値的な不安定性。
  • 周波数応答解析における速度、加速度位相の出力に関する問題。
  • ワークベンチの名前を変更した後の、リモート荷重インポートに関する問題。
  • インポートしたリモート荷重で結果を確認する際の問題。
  • リモート荷重の単位が変更された場合の変換の問題。
  • UTSから推定する方法でSNカーブを作成する際の問題。
  • データムポイントの回転をプロットする際の問題。
  • Pick loadオプション使用時に正しい単位が表示されない問題。
  • 熱応力解析の問題。
  • 異なる機能における警告メッセージの改善。
  • スポット溶接を .csv ファイルにエクスポートする際の問題点。
  • ローカルスタディを使用する場合の接続や境界条件の問題。
  • 周波数応答解析のためのアニメーションに関する問題。
  • ブックマーク名の表示に関する問題。
  • シートの折り返しや重なりがある場合に接続されているものとして扱われる問題。
  • 情報をピックする際に複数のポイントを削除してしまう問題。
  • ソリッドからレーザー溶接を作る問題。
  • 設計スタディを横断する結合をコピーした際の問題。
  • シーム溶接を一般的な疲労問題から除外する際の問題。
  • シーム溶接の材料表示がリフレッシュされる問題。
  • シーム溶接反力プロットに伴う問題。
  • バッチモードを使用したキャプチャリングエラー。
  • UGNXのマウス設定説明に関する問題。
  • いくつかのクラッシュの原因となる問題。