Altair SimSolid 2022.1 リリースノート

主な特長

今回のリリースの主な特長は以下の通りです。
  • 構造連続解析
  • 初期応力モーダル解析
  • 非定常熱解析
  • 全体-局所解析
  • スクラッチディスク領域

新機能

構造連続解析
複数の構造解析が互いにリンクされる構造連続解析が、分離接触を伴う構造線形と構造非線形でサポートされるようになりました。この機能は、材料非線形性や形状非線形性を伴う構造非線形ではサポートされません。
Analysisメニュー、Analysisワークベンチツールバー、またはサポートされている構造解析を右クリックすることによってこの機能にアクセスし、リンクする解析を作成できます。
初期応力モーダル解析
モーダル解析が、任意の構造解析にリンクして、初期応力モーダル解析を実行できるようになりました。リンクする構造解析は、線形にも非線形にもできます。構造解析からのすべての境界条件を使用して、慣性荷重と熱荷重を含むがこれらに限定されない初期応力モーダル解析を実行できます。
Analysisメニュー、Analysisワークベンチツールバー、またはサポートされている構造解析を右クリックすることによってこの機能にアクセスし、リンクする解析を作成できます。
非定常熱解析
モード合成法に基づく非定常熱解析がサポートされるようになりました。この解析では、構造の熱応答が時間依存荷重を使用して計算されます。温度、熱流束、体積熱、および対流を含むすべての熱境界条件がサポートされます。
この解析の材料特性は線形のため、温度依存として定義できません。
全体-局所解析
全アセンブリレベルで実行された解析にリンクすることによって、アセンブリの一部分に対する詳細な解析を実行できるようになりました。すべての結合における力を全体アセンブリと局所アセンブリ間で伝搬させることによって、全体挙動を考慮できます。
全体-局所解析の実行は、コンピュータ全体のリソースと時間を削減する2ステッププロセスです。全体解析をアセンブリ全体に対して実行し、結合における荷重経路と力を正確に収集します。2つ目のステップでは、全体スタディからの解析をリンクすることによって、すべての詳細を使用した高忠実度の局所解析を全体アセンブリの一部分に対して実行します。
以下の手順で局所スタディを作成できます:
  • Design studyワークベンチでCreate local studyをクリックする。
  • モデリングウィンドウまたはProjectツリーでパートを右クリックする。
その後で、任意の構造解析を右クリックすることによって、リンクする解析を作成できます。
この機能は、構造線形解析と構造非線形解析で使用できます。全体スタディレベルで実行されたすべての変更が自動的に局所スタディに転送されます。その後で、結合および / または解析設定を変更することによって、局所スタディレベルで高忠実度の解析を定義できます。
現時点で、パートの削除と局所スタディへのインポートはサポートされていません。
スクラッチディスク領域
スクラッチファイルを使用して解析を実行できるようになりました。この機能を有効にするには、Settings > Hardwareをクリックして、Use scratch filesチェックボックスをオンにします。スクラッチファイルはユーザー定義の場所に書き込まれます。デフォルトの場所はTempディレクトリです。
この機能は、自由度が数百万の大型アセンブリの場合にメモリ使用量を削減するのに役立ちます。
Solver Manager
Solver Managerを使用すれば、プロジェクト内で実行する特定の解析と設計スタディを選択することができます。この機能には、設計スタディまたはプロジェクトワークベンチでアクセスできます。
リリースハイライト
リリースハイライトがSimSolid内の新しいウィンドウとしてWhat’s Newセクションの下に表示されるようになりました。これは、プロジェクトの呼び出し時に表示されます。これを無効にするには、ウィンドウの下部にあるDo not show this window on startupを選択します。
サブアセンブリの作成
Projectツリーで新しいサブアセンブリを作成し、そのサブアセンブリの下にパートを再グループ化することができます。パートとサブアセンブリをドラッグして必要な場所に移動します。
SimSolid Connect
InspireのExtension Managerの下でSimSolid Connectを使用できるようになりました。この拡張機能を使用すれば、形状ファイルを使用せずにInspireとSimSolidの新しい / 既存のセッション間で形状をシームレスに転送することができます。SimSolid Connectは、SimSolidのインストール時に自動的にExtension Managerの下に追加されます。この機能には、Inspireのバージョン2022.1以降が必要です。

機能強化

グラフィック性能
ファセット数が10万を超える大型モデルのグラフィック性能が向上しました。大型モデルでは、モデルを回転 / パンすると、パートが自動的にワイヤフレームモードに変更されるため、性能が向上します。結合も選択や削除がはるかに容易になります。
Pick info
Pick infoが改善されました:
  • 材料非線形解析で完全弾性オプション、弾塑性オプション、および荷重除去オプション間で結果を区別するためのすべてのオプションが表示されるようになりました。
  • 構造荷重ケースと複数荷重ケースの両方でインポートされた力とインポートされたスポット力に対してPick loadオプションがサポートされるようになりました。
Deformation scale
Deformation scaleがユーザー編集可能スケールファクターを含むように改善されました。デフォルトを変更するには、デフォルトオプションをクリアし、必要なスケールファクターを入力します。1.0のスケールファクターは真の変形を示します。
バッチモード
バッチモードは、CSVファイルから複数荷重ケースへのスポット変位のインポートをサポートするようになりました。
直交異方性材料の熱解析
定常状態熱解析が直交異方性材料に対してサポートされるようになりました。
結合マッピング
仮想結合が、トレランスに基づいて、ベースライン設計スタディから新しい設計スタディにマッピングされるようになりました。
PSD単位
ランダム解析下の回転慣性を除くすべての境界条件の単位がPSD関数に追加されました。新しい時間 / 周波数 / PSD関数の作成が、動解析のすべての境界条件下でサポートされるようになりました。
SimSolid Installer
SimSolid実行可能ファイルが、InstallAnywhereを使用して作成されるようになりました。

既知の問題

  • Parasolidファイルのパート名がインポートされないことがある。
  • 仮想コネクター下での線形ガイドレールに伴う問題。

解決された問題

  • 動的解析下での標準関数を用いた周期関数定義の問題。
  • 自己接続パート上のスポット溶接の反力。
  • シーム溶接作成が改善されました。
  • 非線形材料を使用したモデルの解析が改善されました。非線形解析と線形解析を使用した弾性解間の結果が一致するようになりました。
  • 直交異方性材料が定義されたときに、体積膨張 / 収縮が無効になるようになりました。
  • 解析のタイプが切り替えられたときのPick infoダイアログの動作が改善されました。
  • さまざまな材料特性、境界条件、および結果プロットの単位の変更に伴う問題。
  • いくつかのクラッシュが解決されました。
  • シーム溶接反力プロットに伴う問題。
  • 疲労強度係数内の誤字。
  • スポット溶接に伴うグラフィック問題。
  • 多数のフェイスが境界条件に追加された場合の性能が向上しました。
  • CSVファイルから材料がインポートされたときのエラーメッセージが改善されました。
  • 中国語UIを使用した材料データベースに関連する問題。
  • ウィンドウに合わせたプロットの調節に伴う問題。
  • シーム溶接を中心とした応力が改善されました。
  • 疲労特性をデフォルトに戻す操作に関連する問題。
  • プラグイン用のタイムアウトが増加されました。
  • 熱解析のカスタム接触条件を保持する問題。
  • シーム溶接の寿命コンターと関連する凡例に伴う問題。
  • 後続の設計スタディのために疲労荷重ケースのリンク先解析を保持する問題。
  • コピー先の設計スタディでパートが除去されない問題。
  • いくつかのウィンドウでのリフレッシュ問題。
  • 数値不安定性に伴うエラーメッセージが改善されました。
  • ベースライン設計スタディから荷重をマッピングする問題。
  • SimSolid 2021.1には、力 / 変位をコピーしたときの矛盾する結果に関連する問題があります。これらの問題が2022.1で修正されました。また、このバージョンは、バージョン2021で作成されたこのようなコピーされた力の境界条件を無効にします。
  • 複数荷重ケース内の軸受荷重に関連する境界条件表示。
  • 単位系が変更されたときのブッシング剛性の変換に関連する問題。