解析結果の表示

結果を解析し、欠陥を最小限にして問題の発生を防止します。

結果は、表示する前に実行履歴に記録される必要があります。

  1. リボンで成形タブをクリックします。
  2. 解析アイコンで解析結果の表示をクリックします。

  3. 解析エクスプローラで、実行ステージ、および結果タイプを選択します。
  4. オプション: さまざまな表示オプションを有効にして、表示する解析内容を指定します。
  5. オプション: さまざまな注釈オプションを有効にして、モデルの中で注目する箇所の解析結果を表示します。注釈の値は、現在選択している実行に該当するものです。
  6. 実行を解析します。
    ヒント: モデル上で最大の応力が発生する領域を確認するには、結果スライダーを選択してドラッグします。クリックして、動作結果スライダーをデフォルト値に戻します。


結果タイプ

注入、保圧、冷却、反り解析の各段階で結果を得ることができます。

湯流れ結果

オプション 説明
速度
  • 金型への射出の間、速度ベクトルの変化を確認します。
  • 表示オプションボタンをクリックして、速度コンター射出アニメーションに切り替えます。


平均速度 注入中の材料の平均速度を表示します。

注: クイック解析でのみ利用可能です。
温度
  • 金型のキャビティに流入する材料の温度変化を確認します。
  • 過剰な加熱や冷却がないかをチェックします。
  • 均一な温度分布のために適切な注入速度を決定します。


フローフロント温度 射出時の温度を確認します。

温度 (Core) 注入中のパート中心部の温度を確認します。

注: クイック解析でのみ利用可能です。
温度 (Shear) 注入中の部品の中心と外壁の間のせん断領域の温度を確認します。

注: クイック解析でのみ利用可能です。
圧力 注入段階で発生する金型キャビティ内の圧力を確認します。

時間 パートのさまざまな領域に材料が到達するまでに要する時間を確認します。充填結果は、パートへの最適な充填方法を決定し、不完全な充填、不均衡な流れ、ウェルドライン、エアポケットの可能性を示すパターンを検出するのに役立ちます。

密度 ポリマーの密度を経時的に確認します。高品質な仕上がりには、均一な密度が理想的です。

固化レイヤー 充填中のパートの凝固領域と非凝固領域を表示します。


エアトラップ
  • 充填中に金型に閉じ込められた空気を検出し、ベントオプションを検討します。
  • シミュレーションでベントを調整することを検討します。


ウェルドライン 充填中に2つのフローフロントが合流する領域を特定します。このような領域は、構造的および見た目において問題を引き起こす可能性があります。

有効ひずみ速度 ポリマーの有効ひずみ速度を確認します。有効ひずみ速度はポリマーの粘度と深くかかわりを持ちます。したがって、この結果は、ポリマーの充填挙動を理解するのに役立ちます。さらに、ひずみ速度があるしきい値(材料ごとに異なる)を超えると、ポリマーが劣化する可能性があります。

注: 詳細解析でのみ利用可能です。
有効粘度 ポリマーの有効粘度を経時的に確認します。有効粘度は温度とひずみ速度の関数であり、材料の流動挙動に直接影響します。この結果は、最適な充填のためのゲート領域の設計に役立ちます。

注: 詳細解析でのみ利用可能です。
板厚 パートのさまざまな部分の板厚を確認します。局所的パート板厚は、局所的なひずみ速度と熱流に影響します。板厚の急激な変化は冷却ムラを引き起こし、パートの収縮や最終パートのヒケなどの欠陥につながります。この結果は、プロセス全体を把握するのに役立ちます。

金型温度 金型内の温度変化を確認します。

繊維配向テンソル テンソルの対角積とクロス積の結果を確認します。この結果は、短繊維強化ポリマーの繊維配向テンソルを予測するのに使用できます。
  • XX:テンソルをX方向に表示します。
  • YY:テンソルをY方向に表示します。
  • ZZ:テンソルをZ方向に表示します。
  • XY: テンソルをXY平面上に表示します。
  • YZ: テンソルをXZ平面上に表示します。
  • ZX: テンソルをZX平面上に表示します。
ソルバーは繊維配向テンソルを結果ファイルとASCIIファイルに書き込みます。このファイルをMultiscale Designerにインポートして、さらに強度や破壊解析を行うことができます。

保圧結果

オプション 説明
温度 保圧フェーズの温度を確認します。金型壁面での温度損失によって温度が低下します。

温度 (Core) 保圧中のパート中心部の温度を確認します。

注: クイック解析でのみ利用可能です。
温度 (Shear) 保圧中のパート中心部と外壁の間のせん断領域の温度を確認します。

注: クイック解析でのみ利用可能です。
温度(壁) 保圧中のパートの外壁の温度を確認します。

注: クイック解析でのみ利用可能です。
速度 保圧フェーズの速度を確認します。材料の速度が低下して、最後に流れが停止します。

平均速度 保圧中の材料の平均速度を表示します。

注: クイック解析でのみ利用可能です。
圧力 保圧フェーズの圧力を確認します。シンクマークによる不良が発生しやすい領域を検出するには、圧力が0を下回る箇所を特定することが効果された結果が得られます。

ヒケ 保圧段階での収縮によって引き起こされる、モデルの厚い部分のサーフェスのくぼみを検出します。

密度 ポリマーの密度の経時変化を確認します。高品質な仕上がりには、均一な密度が理想的です。この結果は、ヒケや収縮などの欠陥の原因を突き止めるのに役立ちます。

固化レイヤー 保圧中のパートの凝固領域と非凝固領域を表示します。

板厚 パートのさまざまな部分の板厚を確認します。局所的パート板厚は、局所的なひずみ速度と熱流に影響します。板厚の急激な変化は冷却ムラを引き起こし、パートの収縮や最終パートのヒケなどの欠陥につながります。この結果は、プロセス全体を把握するのに役立ちます。

金型温度 金型内の温度変化を確認します。

冷却結果

オプション 説明
温度 金型全体への射出が完了した段階で温度変化を確認します。冷却段階を停止する最終温度を決めることができます。

温度 (Core) 冷却中のパートの中心部の温度を確認します。

注: クイック解析でのみ利用可能です。
板厚 パートのさまざまな部分の板厚を確認します。局所的パート板厚は、局所的なひずみ速度と熱流に影響します。板厚の急激な変化は冷却ムラを引き起こし、パートの収縮や最終パートのヒケなどの欠陥につながります。この結果は、プロセス全体を把握するのに役立ちます。

固化レイヤー 冷却中のパートの凝固領域と非凝固領域を表示します。

密度 ポリマーの密度の経時変化を確認します。高品質な仕上がりには、均一な密度が理想的です。この結果は、ヒケや収縮などの欠陥の原因を突き止めるのに役立ちます。

金型温度 金型内の温度変化を確認します。

反り結果

オプション 説明
変位 成形品の折れ、曲がり、ねじれ、反りなどを検出します。変位コンターでは、パートの反りの様子が示され、これによって冷却速度、冷却水路設計、プロセスデータに対して適切な是正措置を講じることができます。

要素応力 各要素の応力結果を表示します。この結果は、パートが反る際に材料が受ける応力を表しています。

注: 解析エクスプローラーの"表示"の下にある メニューをクリックすると、特定のテンソルを単独またはグループで表示できます。

節点応力 各節点の応力結果を表示します。この結果は、要素応力の結果と比べて滑らかに表示されます。

注: 解析エクスプローラーの"表示"の下にある メニューをクリックすると、特定のテンソルを単独またはグループで表示できます。

成形不良の表示

エアトラップ、ウェルド面、シンクマークの問題を修正します。

  1. 実行が完了したら、解析結果の表示 アイコンをクリックするか、実行状況ウィンドウで実行をダブルクリックして結果を表示します。
  2. 解析エクスプローラ射出ステージを選択し、エアトラップの結果を表示します。ベントが不十分で成形に空気が残留すると、この不良が発生します。

    注: エアトラップの問題を修正するには次の手順に従います。
    • 適切なゲートが作成されるように設計を最適化します。
    • より多くの空気が解放される低粘度の材料を選択します。
    • 適切なベントを追加します。
    • 金型を適切に調整して、捕捉された空気のベントを設けます。
  3. 次に、射出ステージのウェルド面を表示します。このシミュレーションでは、2つの流頭が合流する領域が示されます。コアまたはインサートを持つパートで、この不良が発生することがあります。合流した流頭の温度が互いに異なっていると、温度勾配が原因で、これらの流頭が完全には溶融しないことが考えられます。

    注: ウェルド面の問題を修正するには次の手順に従います。
    • 融点が低い材料を選択します。
    • 射出温度を上げ、射出速度を速くします。
    • 材料の流れが1つになるように設計を変更します。
    • 材料の溶解温度を高くします。

  4. 保圧ステージでシンクマークの結果を表示します。この不良は、モデルの肉厚が厚い部分で冷却速度と補償が不十分な場合に発生します。最もひけの影響を受けやすい箇所として、リブや内部フィレットなどがあります。

    注: シンクマークの問題を修正するには次の手順に従います。
    • シンクマークが発生する厚肉箇所を再設計し、肉厚を薄くします。
    • 保圧の際に、冷却システムを使用して金型温度を低くします。
    • 十分な量の材料が射出されて金型に充填されるように、ゲートのサイズを大きくします。
    • 保圧サイクルの保持温度を高くします。

結果に注釈を追加する

解析エクスプローラの注釈アイコンを使用すれば、モデル上の目的のポイントで選択した結果タイプの値に注釈を付けて確認できます。

  1. 解析アイコンにある解析結果の表示ツールを選択します(まだアクティブになっていない場合)。
  2. 対象箇所に注釈を作成するには、解析エクスプローラの をクリックし、結果タイプを選択して、モデル上のポイントをクリックします。ボックス選択で面積内の最大値を表示します。
    注: 注釈値は、現在選択している実行に適用されます。
  3. 結果タイプの最小値と最大値の発生場所を示す注釈を自動的に作成するには、結果タイプを選択して、 をクリックします。
  4. オプション: テーブルに注釈を表示するには、解析エクスプローラで をクリックします。各注釈の値は、選択された実行に固有です。
    • 表内で行を選択してモデリングウィンドウ内の注釈を選択します。
    • 1つの注釈の表示と非表示を切り替えるには、注釈テーブルの名前列でをクリックします。
    • すべての注釈の表示と非表示を切り替えるには、解析エクスプローラで をクリックします。
    • テーブル内のカラム順を並べ替えるには、カラムヘッダーをクリックします。または をクリックするか をクリックして昇順にソートまたは降順にソートを選択することもできます。


    • テーブルでカラムを追加または削除するには、カラムヘッダーを右クリックしてから、プロパティを選択または選択解除します。