/PROP/TYPE10 (SH_COMP)

Blockフォーマットキーワード このプロパティセットは、複合シェルプロパティセットの定義に使用されます。それぞれが異なる直交異方性方向を持つ複数の層で複合材料を定義できます。

フォーマット

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/PROP/TYPE10/prop_ID/unit_IDまたは/PROP/SH_COMP/prop_ID/unit_ID
prop_title
Ishell Ismstr Ish3n Idrill P_thickfail
hm hf hr dm dn
N Thick Ashear Ithick Iplas
VX VY VZ skew_ID Ipos IP
ϕ1 ϕ2 ϕ3 ϕ4 ϕ5
... ϕN

定義

フィールド 内容 SI単位の例
prop_ID プロパティの識別子

(整数、最大10桁)

unit_ID Unit Identifier

(整数、最大10桁)

prop_title プロパティのタイトル

(文字、最大100文字)

Ishell シェル要素の定式化フラグ 1
= 0
/DEF_SHELLの値を使用
= 1 /DEF_SHELLが定義されていない場合のデフォルト
Q4、変形モードと剛体モードに直交する粘弾性アワグラスモード(Belytschko)
= 2
Q4、直交性を伴わない粘弾性アワグラス(Hallquist)
= 3
Q4、直交性を伴う弾塑性アワグラス
= 4
タイプ1の定式化を改良したQ4(ねじれた要素の直交化)。
= 12
QBATシェル定式化
= 24
QEPHシェル定式化。

(整数)

Ismstr シェル微小ひずみ定式化フラグ。 2
= -1
要素タイプと材料則を応じて最適な値を自動的に設定
= 0
/DEF_SHELLの値を使用
= 1
時刻0からの微小ひずみ(他のすべての定式化フラグと適合性のある定式化)
= 2 /DEF_SHELLが定義されていない場合のデフォルト
Radioss Engine(オプション/DT/SHELL/CST)での微小ひずみ定式化がアクティブとなる可能性がある完全幾何非線形性
= 3
古い微小ひずみ定式化(アワグラスタイプ2とのみ互換)
= 4
完全幾何非線形性(Radioss Engineでオプション/DT/SHELL/CSTによる影響はありません)

(整数)

Ish3n 3節点シェル要素定式化フラグ
= 0
/DEF_SHELLの値を使用
= 1
標準的な三角形(C0)。
= 2 /DEF_SHELLが定義されていない場合のデフォルト
大きな回転に対する修正を伴う標準的な三角形(C0)。
= 30
DKT18。
= 31
BATOZのDTK12に基づくDKT_S3、(理論マニュアルElement Libraryをご参照ください)

(整数)

Idrill 面内回転自由度剛性のフラグ。 7
= 0
/DEF_SHELLの値を使用
= 1
オン。
= 2 /DEF_SHELLが定義されていない場合のデフォルト
オフ。

(整数)

P_thickfail **破壊したシェル要素用の削除の板厚割合。11
-1.0 ≤ P_thickfail ≤ 0
**板厚方向の破壊積分点割合
0.0 ≤ P_thickfail ≤ 1.0
**破壊板厚割合。

デフォルト = 1.0(実数)

hm シェル膜アワグラス係数

デフォルト = 0.01(実数)

デフォルト = 0.1 (アワグラスタイプ3 (Ishell =3)の場合)

hf シェル面外アワグラス

デフォルト = 0.01(実数)

hr シェル回転アワグラス係数

デフォルト = 0.01(実数)

デフォルト = 0.1 (アワグラスタイプ3 (Ishell =3)の場合)

dm Shell Membrane Damping.

材料則25、32、および36に対してのみ有効。

デフォルト =1.5% (Ishell =24(QEPH)+LAW25、32、36の場合)

デフォルト =5.0% (Ishell =1、2、3、4、12+LAW25の場合)

デフォルト =0.0% (Ishell =1、2、3、4、12+LAW32、36の場合)

(実数)

dn シェル数値減衰 4

Ishell =12、24の場合のみ使用

Ishell =24(QEPH)の場合のデフォルト =1.5%

Ishell =12(QBAT)の場合のデフォルト =0.1%

Ishell =30(DKT18)の場合デフォルト =0.01%

(実数)

N 層数。

層の厚みはThick/N(ただし、0 ≤ N ≤ 100)です。

デフォルト = 1(整数)

Thick シェル厚。

(実数)

[ m ]
Ashear せん断係数

デフォルトはReissner値:5/6(実数)

Ithick シェル合応力計算フラグ。 5
= -1
要素タイプと材料則を応じて最適な値を自動的に設定
= 0
/DEF_SHELLの値を使用
= 1
厚みの変化が考慮されます
= 2 /DEF_SHELLが定義されていない場合のデフォルト
厚みは一定です

(整数)

Iplas シェル平面応力塑性フラグ 6
材料則2、22、32、36、および43に対してのみ有効。
= -1
要素タイプと材料則を応じて最適な値を自動的に設定
= 0
/DEF_SHELLの値を使用
= 1
3ニュートン反復計算を伴う反復投影
= 2 /DEF_SHELLが定義されていない場合のデフォルト
ラジアルリターン。

(整数)

VX 参照ベクトルのX成分 8

デフォルト = 1.0(実数)

VY 参照ベクトルのY成分

デフォルト = 0.0(実数)

VZ 参照ベクトルのZ成分

デフォルト = 0.0(実数)

skew_ID 参照ベクトルのスキュー識別子 8

デフォルト = 0(整数)

Ipos シェルの中立面位置フラグ。 12
= 0(デフォルト)
シェルオフセットなし。
= 3
上面を要素の中立面とします。
= 4
下面を要素の中立面とします。

(整数)

IP シェル平面内の参照方向 8
=0(デフォルト)
skew_IDの方向1、またはベクトル V を使用して(skew_IDが指定されていない場合)、シェル要素に投影されます。
= 20
シェル要素の要素接続(N1、N2)から定義されます。
= 22
シェル要素に投影されたskew_IDの第1方向と角度phiから定義されます。(ベクトル V は無視されます)。
= 23
ベクトル V とシェル要素の法線方向のベクトル積から定義されます(skew_IDは無視されます)。
= 25
局所円筒座標系skew_ID (第2方向)で定義された方位角方向から定義します。
= 26
要素座標系の第1方向から定義します。

(整数)

ϕ 1 第1層の角度

(実数)

[ deg ]
ϕ 2 第2層の角度

(実数)

[ deg ]
ϕ 3 第3層の角度

(実数)

[ deg ]
ϕ 4 第4層の角度

(実数)

[ deg ]
ϕ 5 第5層の角度

(実数)

[ deg ]
ϕ N Nの角度(ただし、0 ≤ N ≤ 100(行ごとに5角度))

(実数)

[ deg ]

1. それぞれ異なる材料方向(繊維方向)を持つ6つの層

prop_type10_example
#RADIOSS STARTER
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#-  1. LOCAL_UNIT_SYSTEm:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/UNIT/2
unit for prop
#              MUNIT               LUNIT               TUNIT
                  kg                  mm                  ms
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#-  2. GEOMETRICAL SETS:
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
/PROP/SH_COMP/2/2
SH_COMP example
#   Ishell    Ismstr     Ish3n    Idrill                             Pthick_fail
        12         0         0         0                                       0
#                 hm                  hf                  hr                  dm                  dn
                   0                   0                   0                  .1                  .1
#        N                         Thick              Ashear              Ithick     Iplas
         6                           1.8                   0                   1         1
#                 Vx                  Vy                  Vz   skew_ID                Ipos        Ip
                   1                   0                   1         0                   0         0
#              Phi_1               Phi_2               Phi_3               Phi_4               Phi_5
                 -60                 -30                   0                  30                  60
                  90
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|
#enddata
#---1----|----2----|----3----|----4----|----5----|----6----|----7----|----8----|----9----|---10----|

コメント

  1. IshellIsh3n – 4節点および3節点シェル定式化フラグ
    • Ishell=1、2、3、4 (Q4): アワグラス摂動安定化を伴うオリジナルの4節点Radiossシェル。
    • Ishell=24 (QEPH): 汎用の物理的なアワグラス安定化を伴う定式化。
    • Ishell=12 (QBAT): 修正済みBATOZ Q4γ24シェル(4つのGauss積分点を伴う)および面内せん断用の低減積分。このシェルに対して、アワグラス制御は必要ありません。
    • Ish3n=30 (DKT18):3つのHammer積分点を伴うBATOZ DKT18薄肉シェル。
    • フラグIshell =2は、シェル要素の1つの積分点と適合性がありません。
  2. Ismstr - 微小ひずみ定式化
    • Ismstr = 1または3の場合、微小ひずみ定式化は時間t= 0からアクティブになります。これは高速予備解析で使用できますが、結果の精度は保証されません。 Δ t< Δ t min であるシェルは、Radioss Engineオプション/DT/SHELL/CSTによって微小ひずみ定式化に切り替えることができます。ただし、Ismstr = 4の場合を除きます。
    • Ismstr = 1または3に設定した場合、材料則で指定されるひずみと応力は、工学ひずみと工学応力になります。それ以外を設定した場合は、真ひずみと真応力になります。
  3. hmhfおよびhr - アワグラス係数
    • hmhfおよびhrは、Q4シェル(Ishell=1、2、3、4)に対してのみ使用されます。これらは0~0.05の値でなければなりません。
    • Ishell=3では、hmhrのデフォルト値は0.1になり、さらに大きい値が可能です。
  4. d - シェル数値減衰係数
    • dは、Ishell =12、24およびIsh3n = 30の場合のみ使用されます:
      • Ishell =24(QEPH)の場合、dnは、アワグラス応力計算で使用されます
      • Ishell =12(QBAT)の場合dnは横せん断を除くすべての応力項で使用されます。
      • Ish3n =30(DKT18)の場合、dnは膜に対してのみ使用されます
  5. Ithick - シェル合応力計算フラグ
    • /MAT/LAW32 (HILL)では、フラグIthickは自動的に1に設定されます。
    • Ithick =1の場合、該当する要素タイプの微小ひずみオプションは自動的に非アクティブ化されます。
  6. Iplas - シェル平面応力塑性フラグ
    • Ithick =1の場合、Iplas =1の使用が推奨されます。
    • Iplas =1の場合、該当する要素タイプの微小ひずみオプションは自動的に非アクティブ化されます。
  7. Idrill
    • 回転自由度剛性は、特にRiks法および曲げ主体の問題の陰的解法に推奨されます。
    • Idrill は、QEPH, QBAT(Idrill = 12、24)と標準の三角形(C0) シェル要素(Ish3n = 1、2)で使用可能です。
  8. 直交異方性の角度は、スタックで定義された基準ベクトルから以下のように定義されます:

    ϕ   =   ϕ s + ϕ i + ϕ + θ d r a p e

    ここで、
    ϕ i
    はスタックのプライごとに定義されます。
    ϕ s
    は要素上に定義されます。
    ϕ
    はプライ上に定義されます。
    ϕ d r a p e
    はドレープテーブルで定義されます。
    参照ベクトル V MathType@MTEF@5@5@+= feaagKart1ev2aaatCvAUfeBSjuyZL2yd9gzLbvyNv2CaerbuLwBLn hiov2DGi1BTfMBaeXatLxBI9gBaerbd9wDYLwzYbItLDharqqtubsr 4rNCHbGeaGqipu0Je9sqqrpepC0xbbL8F4rqqrFfpeea0xe9Lq=Jc9 vqaqpepm0xbba9pwe9Q8fs0=yqaqpepae9pg0FirpepeKkFr0xfr=x fr=xb9adbaqaaeGaciGaaiaabeqaamaabaabaaGcbaGaaCOvaaaa@36B5@ は、Ip, skew_IDまたはベクトル(VX, VY, VZ)で定義されます。これは、ユーザーガイド複合材特性で説明されています。
    2.
    • IP = 20の例:
      3.


  9. 初期状態カード(/INISHE/ORTHO/INISH3/ORTHO)の材料方向定義は、材料方向を上書きします。

    参照メトリクスの場合、初期形状ではなく参照形状を使用して異方性方向の方向付けを定義する必要があります。

    第2の材料方向m2は、方向m1を90度回転させることで得られます(直交異方性)。

    層は一つ一つ下から上へと積み上げられます。
    4.


  10. パラメータP_thickは、LAW36の塑性破壊ひずみのような材料則そのもの内で定義された破壊と適合性がありません。
  11. P_thickfailと破壊モデルで使用される要素削除のルール:
    • P_thickfailプロパティで定義されたものだけが、要素が破壊されたと判断されるトリガーとなります。
      • P_thickfail > 0は、**破壊板厚割合を定義します。これは、各レイヤーに割り当てられた要素グローバル板厚の値を使用します。
      • P_thickfail < 0は、**破壊層の割合を定義します。これはレイヤーの数を使用します。
    • 破壊モデル(/FAIL)で定義された P_thickfailは使用されません。
    • 完全積分シェル(Ishell=12)の場合、低減積分シェル用に記述される上記のルールは、各Gauss点に別々に適用されます。P_thickfail 基準は、面内Gauss点のすべてのレイヤー板厚についてチェックされます。全Gauss点がP_thickfail基準に達すると、要素は削除されます。
    • P_thickfailルールは材料則内で定義された破壊モデルでは使用されません。/FAILで定義された破壊モデルにのみ使用されます。
  12. Ipos:シェルの位置または板厚オフセット:
    • Ipos=0:シェルオフセットなし
    • Ipos=3:上面を要素の中立面とします。
    • Ipos=4:下面を要素の中立面とします。