モデル準備
- メッシュ品質
- スプリング定義
- インタフェース定義での交差と貫通
- 運動条件の非適合のチェック
- 剛体間に共通セカンダリ節点がない
- "自由"なメイン節点のみである
- 小さな剛体の球状慣性
- 質量と重心
- パートの板厚
- 初速度の値と方向
- 剛壁の法線
- 材料則: 単位系の一貫性
- 自由節点
- モニター体積:
- 閉じた体積
- 正の体積
- パート間の結合
- 結合されたパート間のメッシュサイズ
ここでは、有効なモデルを生成するためのいくつかの基本的なルールについて記述します。
メッシュ品質
有限要素のメッシュに関する推奨の内容を考慮する必要があります。シェルメッシュは可能な限り一様である必要があります。与えられた物理パートに異なるシェルの定式化を用いることは推奨されません。非常に細かいメッシュに対しては、完全積分要素または物理安定化法の使用を推奨します(/PROP/SHELL)。3角形シェルは避けるべきです。メッシュの難しさによりメッシュに3角形が含まれる場合、パートごとにその数が 5% 以下になるように減らすことが推奨されます。
材料チェック
- その材料は正しい単位系にありますか?
- 金属パートの場合:
40 GPa < 係数 < 210 GPa
1.8e-6 kg/mm3 < 密度 < 7.8e-6 kg/mm3
- 塑性パート(PP、PC-ABS、PP GF30%, ...)の場合:
0.9 GPa < 係数 < 13 GPa
9e-7 kg/mm3 < 密度 < 1.6e-6 kg/mm3
- フォームの場合:
1e-8 kg/mm3 < 密度 < 1e-7 kg/mm3
- 金属パートの場合:
- 材料データベースにある実証済みの材料ですか?
現実的な材料データを入力する必要があります。
- 次に示す材料の一般的な問題について確認してください。
- 応力-ひずみ曲線の負の勾配
- 変形可能なパートに割り当てられている弾性材料
- 非現実的な降伏応力(> 2 GPa)
- 破壊が定義されておらず、塑性パートまたは金属パートの要素が非現実的に伸張している(塑性ひずみ > 1)
ソリッドとシェルの定義
- 低減積分シェルの場合、Ishell = 24
- 完全積分シェルの場合、Ishell = 12
- Ish3n = 2(デフォルト)
- 低減積分ソリッドの場合、Isolid = 24
- 完全積分ソリッドの場合、Isolid = 18
- 1次テトラ要素の場合、Itetra4 = 3
- 2次テトラ要素の場合、Itetra10 = 2 (より大きな時間ステップ)
- Ismstr = -1
- Iframe = -1
- Icpre = -1
- 弾塑性材料則(LAW2、LAW27、LAW36など)を使用しているパートの場合。
- Isolid=24、Ismstr=4、Iplas=1、Ithick=1、N=5
- 弾塑性材料則(LAW2、LAW27、LAW36など)を使用しているソリッドパートの場合。
- 六面体要素の場合:
Isolid=24、Ismstr=4
- 1次テトラ要素の場合(塑性変形中のせん断ロックが少ない):
Itetra4=3
- 2次テトラ要素の場合(より高い精度):
Itetra10=0
- 六面体要素の場合:
- 超弾性材料(LAW42、LAW69など)を使用しているソリッドパートの場合。
- 六面体要素の場合:
Isolid = 24、Ismstr = 10、Icpre = 1
- 1次テトラ要素の場合:
Itetra4=0、Ismstr=10
- 六面体要素の場合:
- フォームの場合:
- 材料LAW38:
Isolid=24、Ismstr=10
- 材料LAW70:
Isolid=1または17、Isolid=1または11
- 材料LAW90:
Isolid=24、Isolid=10
- 材料LAW38:
- 繊維の場合:
- LAW19要素:
Ishell=4、Ismstr=1、dm=0.2、N=1
- LAW58要素:
Ishell=4、Ismstr=4、dm=0.2、N=1
- LAW19要素:
スプリング定義
- 1次元バー上の質量分布に関しては、慣性にはその上限と下限があります:
その下限は一様に分布した質量のバーの慣性です。上限は両端に質量m/2を持つバーの慣性です。スプリングはボルトやスポット溶接のモデル化にも使用されるため、これらの制限を超え、以下のように書くこともできます:
- スプリングの断面積は、 または のいずれかで計算することができます。計算された2つの値の比が100を超える場合、その非一貫性の結果としてトラブルをもたらす場合があります。
- スプリングのプロパティでは、負のひずみに対しては負の力、正のひずみに対しては正の力である必要があります。そうでない場合、スプリングは計算の間にエネルギーを生成します。
- 非線形スプリングで接線剛性が負の場合、特に勾配が負のゾーンで振動し不安定を引き起こす危険性があります(エネルギー誤差が正になり増加することがあります)。
- 曲線の最大勾配(つまり最大剛性)が初期剛性よりも大きい場合、最大勾配のゾーンでの除荷が誤ったものになります (モデル化のツール)。
- スプリング要素の剛性が非常に高いと、時間ステップが小さくなり、数値が不安定になる可能性があります。
ビームの一貫性
ビームの仮定長さ / 深さ > 10に加え、一貫したビームの定義には以下が推奨されます:
インターフェースの交差と貫通
メッシュの初期貫通は非現実的な結合を生成します。加えて、これはロッキング状態を引き起こし、計算が失敗に終わることになります。
初期貫通はインターフェースギャップ定義によるものです。これは、非現実的で制御できない内力を引き起こし、結果として計算の最初で局所的な塑性ひずみを発生させる場合があります。構造はそのため局所的に剛性が低くなります。
Altairプリプロセッサーツールを交差と初期貫通を検知し削除するために用いることができます。初期貫通を多く含むモデルは有効であると考えることはできません。修正の後、いくつかの初期貫通が残っている場合、フラグInacti=1を/INTER/TYPE7でアクティブにすることができます。この場合、初期貫通している節点のインターフェース剛性は非アクティブになります。
- ベストプラクティス(推奨):
- インターフェース TYPE7、11、および19の場合:
- Istf=4, Stmin= 1 kN/mm, Idel = 1 または 2, Inacti=6, Iform=2, Gapmin ≥ 0.49mm
- 交差はありません
- 貫通は深すぎず、最初のギャップの60%より小さいままです。0.1mm未満であってはなりません。
- インターフェース TYPE2の場合:
- メインがシェルであるか、セカンダリ節点が回転自由度を持ち、メイン節点が回転自由度を持たない場合、Spotflag= 28を使用します(ソリッド)。
- セカンダリとメインの両方が回転自由度を持たない場合、 Spotflag= 27を使用します(ソリッド)。
- すべての場合についてIdelを1に設定する必要があります
- インターフェース TYPE7、11、および19の場合:
剛体定義
- 剛体のメイン節点にメッシュの節点を使用しない
- 2つのセカンダリ節点により作成された剛体は球状慣性フラグ(/RBODYでのIspher =1)を必ず使用
- 剛体のメイン節点はRadioss Starterでの剛体の初期化で動く可能性があることを考慮
大部分の剛体定義の問題は、Altairプリプロセッサーツールを用いて検知、修正が可能です。
運動条件の非適合
非適合条件は、オプション /PARITH/ONが用いられている場合でも、全エネルギーの増加と並列計算での結果の非再現性の問題を引き起こす可能性があります。Radioss Starterは、非適合条件の可能性を検知します。これはユーザーによって掌握する必要があります。
並列計算
オプション/PARITH/ONは、マルチプロセッサでは必ず使用します。これが無いと、問題の再現が困難になり、起きたり起きなかったりとなる可能性があります。
コメント
- Inacti =1の使用はモデルを柔らかくします。
- 自由節点をインターフェースに入れてはいけません。インターフェース定義におけるサーフェス選択は、シェルとソリッド要素(またはパート)のみで行われ、節点は使用しません。