コンクリートおよび岩石材料
Radiossでは、これらの材料は、岩石またはコンクリート材料のモデル化に使用できます。
これらの材料には、材料が破損したのか塑性降伏したのかを判断する圧力依存モデルである、Drucker-Prager降伏基準1を使用します。
コンクリート材料(/MAT/LAW10と/MAT/LAW21)
Drucker-Prager降伏基準
材料が破壊されている、または塑性降伏を起こしていることは、次の式を使用して圧力によって特定されます:
- 応力の偏差成分の第2応力不変量(フォンミーゼス応力)および 。
- 第1応力不変量(静水圧)。
- 単軸試験内。

多項式を使用して、材料のDrucker-Prager降伏曲面における圧力 が表されます:
- の場合、 であり、材料は降伏曲面内で、弾性領域内にあります。
- の場合、 で、材料は降伏曲面にあります。
- の場合、 であり、材料は降伏曲面を越えており、破壊しています。
-
の場合、
であり、これはフォンミーゼス基準です。
図 2.
圧力の計算
-
の場合、圧力は
であり、圧力限界は
です。
図 3. 外部圧力なしの圧力曲線
-
の場合、圧力は
だけシフトされ、
となり、圧力限界は
となります。
図 4. 外部圧力ありの圧力曲線
- 引張では、圧力は線形であり、 によって制限されます。
- 圧縮では、圧力は非線形であり、 によって制限されます。
材料則間の唯一の違いは、LAW10では、材料定数 を使用して圧力と体積ひずみの関係( 曲線)を表す点です。LAW21では、関数入力fct_IDfにより、この曲線を表すことができます。
載荷と除荷
- 引張の場合(
)
- LAW10では、 により線形載荷および除荷(図 3)。
- LAW21では、入力関数fct_IDfを使用して載荷が定義され、 で線形除荷が定義されます。
- 圧縮の場合(
)、LAW10とLAW21に共通:
- Bも
も定義されていない場合、載荷経路と除荷経路は同じです。
図 5. LAW10とLAW21で同一の載荷と除荷
- Bまたは
のいずれかが定義されている場合:
- Bのみが定義されている場合、 は体積ひずみであり、 曲線の接線はB( )と等しくなります。
-
のみが設定されている場合、Bは、
における
曲線の接線です。圧縮時の載荷と除荷は次のとおりです:
- の場合、載荷と除荷の経路は同じです。
-
の場合、載荷と除荷の経路は異なり、これは勾配Bの線形除荷です。
図 6. LAW10とLAW21の異なる載荷と除荷の処理
- Bも
も定義されていない場合、載荷経路と除荷経路は同じです。
コンクリート材料(/MAT/LAW24)
鉄筋コンクリート材料をモデル化するには、降伏におけるcapの有無によらず、LAW24でDrucker-Prager基準を使用します。この材料則では、コンクリート材料の破壊メカニズムとして引張亀裂と圧縮破砕の2つを想定しています。
コンクリートの引張挙動

初期の非常に小さな弾性相においては、材料は弾性係数Ecを有します。

残留剛性は次のように計算されます:
亀裂閉口が生じると、コンクリートは再度弾性となり、(各方向の)損傷係数は維持されます。
引張におけるコンクリートの支持力は、圧縮における支持力よりはるかに小さくなります。引張では、通常これは弾性と見なされます。
損傷の端における現在の剛性を最小化し、それによって引張における残留応力を回避するため、1に近いDsup値(デフォルトでは0.99999)を選択することをお勧めします。 残留応力は、引張による要素の変形が非常に大きい場合、かなり大きくなる場合があります。これは、損傷の原因になった力が残存している場合に発生します。
繊維によって補強されたコンクリートの挙動をシミュレートし、フィッティングするには、Dsup(およびHt)を調整することができます。全破壊ひずみ に達すると、コンクリート材料は破壊します。
圧縮におけるコンクリートの降伏曲面
コンクリートの場合、降伏曲面は、破壊曲面 と降伏曲面の間である塑性硬化ゾーンの始まりです。
降伏曲面は、引張ゾーンでの破壊曲面と同じと見なされます。圧縮では、降伏曲面が係数 を使用して破壊曲面にスケールダウンされます。コンクリートのLAW24での降伏は、以下のとおりです:
入力パラメータ は単軸引張試験における破壊静水圧、 は単軸圧縮試験における破壊時の静水圧です。
-
(引張)の場合、スケールファクターは
です。この場合、降伏曲面は破壊曲面と等しくなります:
図 11. (引張ゾーンにおける)
- 引張-圧縮領域において、
の場合、ここで、
図 12. 圧縮-引張混合ゾーンでの関数
- 曲線の残りは、Icapオプションに依存し、異なるスケールファクター
が使用されます。
- Icap =0または1、かつ
(圧縮)の場合、
図 13. 圧縮ゾーンでの関数
- Icap =2(降伏におけるcapあり)、かつ
(圧縮)の場合、
図 14. capなしのDrucker-Prager基準の関数
-
(capゾーン内)において、ここで、
図 15. capありのDrucker-Prager基準の関数
- Icap =0または1、かつ
(圧縮)の場合、
材料定数 は、 である必要があります。大きな値の では、降伏曲面がより高くなります。


圧縮におけるコンクリートの塑性流れ則
非関連塑性流れ則はLAW24で使用されます。塑性流れ則は以下のとおりです:
- 塑性域のダイラタンシー。
- 体積塑性流れを制御します。
- 第1応力不変量(静水圧)。
- の場合、 となり、材料が降伏していることを意味します。
- の場合、 は、cap領域で負となります。
- の場合、 となり、材料が破壊されていることを意味します。
の値は、降伏点を超え、破壊前の材料を表すために使用されます。LAW24では、 に-0.2および-0.1を使用することをお勧めします。 に非常に小さな値が使用されると、体積塑性はなくなります(cap領域なし)。
圧縮におけるコンクリートの圧壊
破壊サーフェスは次のように与えられます:
ここで、 , と はLoad角で、次のようになります:
このサーフェスを構築するためにOttosenサーフェスが作成されます:
ここで、 、 、 および がサーフェスを形成する4つの値で、
- 単軸引張(軸性は1/3)
- 単軸圧縮(軸性は-1/3)
- 2軸圧縮(軸性は-2/3)
- 拘束圧縮強度(3軸試験)
- 拘束圧
荷重タイプ | サーフェスポイント | デフォルト入力 | 基準 | 圧力 | Lode角 |
---|---|---|---|---|---|
圧縮 | 必須 | ||||
直接引っ張り | |||||
2軸圧縮 | Icap = 1であれば、
Icap = 2であれば、
|
||||
拘束圧力の下での圧縮強度 |






ここで、破壊曲線は、 を使用して定義され、 は平均応力(圧力)、 および は第1および第2応力不変量です。
破壊曲線 に達すると、材料は破壊します。
コンクリートの補強
- 1つは、ビームまたはトラス要素を複数の運動条件でコンクリートに結合する方法です。
- もう1つは、LAW24のパラメータを直交異方性ソリッドプロパティ/PROP/TYPE6とともに使用し、補強方向を定義する方法です。LAW24のパラメータ
を使用して、方向1、2、3について、全体のコンクリート断面積に対する補強断面積の比率を定義します。

コンクリート材料(/MAT/LAW81)
LAW81は岩石またはコンクリート材料のモデル化に使用できます。
Drucker-Prager降伏基準
LAW81ではDrucker-Prager降伏基準を使用します。ここでは、降伏曲面と破壊曲面が同じです。降伏基準は以下のとおりです:
- 以下の条件におけるvon Mises応力:
- 圧力は以下のように定義されます:

- 線形部分
( )、ここではスケール関数が で、von Mises応力が圧力に線形比例します:
ここで、- 粘度。せん断強度による降伏エンベロープを制限します。
- 内部摩擦の角度。降伏エンベロープの勾配を定義します。
および は、Mohr-Coulomb降伏曲面の定義にも使用されます。Drucker-Prager降伏曲面は、Mohr-Coulomb降伏曲面を滑らかにしたものです。
- 降伏曲面の2つ目の部分
( )は、cap制限をシミュレートします。岩石またはコンクリート材料での圧力の増加により、材料の降伏が増加しますが、圧力が十分に大きくなると、岩石またはコンクリート材料は圧壊されます。cap制限のあるDrucker-Pragerモデルを使用して、この挙動をモデル化できます。cap制限は
の部分で定義され、以下のスケール関数を使用します:
von Mises応力は以下のようになります:- 曲線はfct_IDPb入力を使用して定義されます。
- 入力 率の値を使用してRadiossによって計算されます。
ここで、 。
ここで、 は、降伏曲線の最大ポイントです。ここで、
の場合、 となり、降伏関数は、
となります。これは材料が圧壊されることを意味します。

- 、右記の場合;
- 、右記の場合;
- 、右記の場合;
圧力は であるため、降伏関数 と塑性流れ関数 は同じであり、次の条件が満たされます:
圧力 は、 である降伏曲面を使用して計算できます。ここで は次のように定義されます。
