OS-E:0897 自動車シャーシの複数材料トポロジー最適化
複数材料最適化(MMO)は、異なる材料のパートを最適化する必要がある際に使用することができます。この手法では、複数の材料を評価することができる構造内の材料配置を初期概念レベルで見ることが可能です。
質量低減量、剛性、および材料を製造するための相対的なコストの関係を最適化定式化に含めることができます。
一貫した定式化がなければ、最適化は最も軽い材料または最も硬い材料(スチールまたはアルミニウム)に有利になりますが、競合する要件が設計の指針となります。
複数材料の最適化は、異なる材料の相対的な価格や各材料の相対的な生産量のような構造性能以外の情報が得られている場合に、総生産コストに影響を与えるような際に使用することができます。
- ケース1:目的:スチールとアルミニウムを個別に考慮したトポロジー最適化
- スチールの最適化
- 剛性の要件を満たすために、より大きい質量、より少ない材料。
- アルミニウム
- 剛性の要件を満たすために、より小さい質量、より多くの材料。
- ケース2:
複数の材料(スチール+アルミニウム)を考慮したトポロジー最適化
目的:構造に含まれるスチールとアルミニウム材料の総質量を最小化。
結果として得られた設計は、不要な材料を除去しながら、剛性の要求を満たす。
- ケース3:
複数の材料を考慮し相対コストの最小化を図るトポロジー最適化
目的:質量の関数 としてのコスト関数を最小化します。アルミニウムはスチールよりも50%高いコストがかかります。
スチールよりもアルミニウムの方がコストが高いため、それを考慮してどこに素材を置くかを検討します。
モデルファイル
モデル概要

図 1. 制約条件と荷重条件を持つシャシーモデル
- 曲げ、前部ねじり剛性、後部ねじり剛性の3つのシナリオの単位荷重
- ベースライン解析に基づいて、すべての荷重位置に変位制約を付与
- 中心面での対称性の制約
- FE Model
- シャーシボディ
- CTETRA
- コネクター
- 剛体要素(RBE2)
- アルミニウム
- ヤング率
- 7E+04 MPa
- ポアソン比
- 0.33
- 密度
- 2.7E-09 ton/mm3
- スチール
- ヤング率
- 1.95E+05 MPa
- ポアソン比
- 0.29
- 密度
- 9E-09 ton/mm3
結果

図 2. ケース1 トポロジー最適化結果

図 3. ケース2 トポロジー最適化結果

図 4. ケース3 トポロジー最適化結果

図 5. 結果の比較. 異なるシナリオの最適化反復計算における質量の追跡