以下のアプローチは、トポロジー最適化とフリー寸法最適化の応力制約を処理するために使用できます。
注: 拡張ラグランジュ法は、トポロジー最適化でのみサポートされます。
Normベースのアプローチ(トポロジーとフリー寸法最適化)
Normベースのアプローチは、トポロジーとフリー寸法の最適化の応力応答を処理するためのデフォルトの方法です。この方法は、DRESP1バルクデータエントリの対応する応力応答RTYPEが入力されるときに使用されます。
Response-NORMの集計は、モデル内の要素のグループについて応力応答を計算するために内部的に使用されます。ソリッド、シェル、バー応力、およびソリッドコーナー応力は、Response-Normの集計アプローチでサポートされます(フリー寸法最適化はシェル応力についてのみサポートされます)。詳細については、NORMメソッドをご参照ください。
拡張ラグランジュ法(ALM)(トポロジー最適化のみ)
拡張ラグランジュ法(ALM)は、トポロジー最適化の応力応答を処理するための代替方法です。DRESP1バルクデータエントリを使用して局所応力応答を指定するときに、DOPTPRM,ALMTOSTR,1を使用してアクティブにすることができます。
ALMは、式 1に示す局所応力制約を使用してトポロジー最適化問題を効率的に解くための代替方法です。
(1)
ここで、
-
- トポロジー設計変数のベクトル
-
- 目的関数
-
- j番目の拘束
-
- 局所応力制約の数
-
- 制約の総数
一般的に、
は、要素の数と等価で、大きな数になります。ALMは、最適化
式 1を以下のフォーマットに変換します。
(2)
(3)EQ 2
ここで、
-
-
-
-
-
- 要素密度
-
- 要素フォンミーゼス応力
-
- 応力の上限
-
- ラグランジュ乗数推定値
-
- 2次ペナルティ係数
- ペナルティ係数は、通常、次のように更新されます:(4)
- ここで、
-
- 更新パラメータ
-
- 数値不安定性を回避するための上限
ラグランジュ乗数推定値は、
のように更新されます。
一般的に、局所応力制約の数
は、非常に大きくなります。式 1を直接解くと、計算時間が長くなります。目的関数に応力の制約条件を課すことによって、制約の総数を大幅に削減できます。その結果、最適化問題を効率的に解くことができます。
パラメータは、
、
、
、
、
、
のように設定されます。
は、最初に1.0に設定され、5回の反復ごとに1.3倍されます。上限は30.0です。このプロセスに基づいて、トポロジー最適化は1フェーズ以内に実行されます。
注: このALMを除き、OptiStructは、通常、複数フェーズ戦略を使用してトポロジー最適化問題を解きます。
デフォルトのStress-norm(P-norm)メソッドも、局所的な応力制約を伴うトポロジー最適化問題を効率的に解きます。ALM1は、このようなモデルに適した代替手段です。
グローバルなフォンミーゼス応力応答(トポロジーとフリーサイズ最適化)
トポロジー最適化およびフリー寸法最適化には、
DTPLまたは
DSIZEカードの
STRESS追加継続行で、フォンミーゼス応力の制約条件を定義することができます。この制約条件には、次のような幾つかの制限があります:
- 応力の制約条件は、1つのフォンミーゼス許容応力に限定されます。異なる許容応力を有する異なる材料が構造内に存在する場合、特異トポロジーの現象が発生します。特異トポロジーは、応力の制約条件の条件付き性質に関連した問題のことで、要素がなくなると、要素の応力制約条件は消失します。これは、設計領域全体で勾配ベースの最適化エンジンによっては通常得ることができない解をもつ多数の縮退問題が存在するという別の問題を生じます。
- 部分領域の削除によりすべての応力制約条件が削除される惧れがあり、これにより最適化問題が正しく設定されなくなるため、構造の部分領域についての応力の制約条件は許可されません。したがって、応力の制約条件は、アクティブである際は、設計領域と非設計領域の両方を含むモデル全体に適用され、応力制約条件の設定は、すべてのDSIZEおよびDTPLカードについて等しくなければなりません。
- 集中荷重および集中境界条件によって生じる人工的応力制約条件をフィルタにかけるために、ビルトインインテリジェンスが装備されています。境界形状に起因する応力集中も、局所的な形状の最適化でより効率的に改良されるよう、ある程度フィルタにかけられます。
- 応力の制約条件がアクティブである要素が多数あるために、.outファイル内の保持された制約条件の表に要素応力のレポートが示されません。モデルの応力の状態の反復計算履歴は、HyperViewまたはHyperMeshで確認できます。
- 応力の制約条件は、1次元要素には適用されません。
- モデル内に強制変位が存在する場合、応力の制約条件は使用されない場合があります。
座屈係数は、ベース板厚がゼロではない場合、シェルトポロジー最適化問題として制約されることが可能です。座屈係数の制約条件は、トポロジー最適化のその他のケースには適用できません。
現時点では、設計空間を構成しない要素の目的関数または制約条件として、次の応答が使用可能です。
複合材の応力 |
複合材のひずみ |
複合材の破壊基準 |
周波数応答応力 |
周波数応答ひずみ |
周波数応答フォース |