パターン繰り返しおよびパターングルーピングと他の製造用制約条件との組み合わせ
パターン繰り返しは、モデルの中で同一または類似の設計とすることが必要な複数の部分を定義できる機能です。パターングルーピングは、特定のパターンで設計することが必要なモデルの単一部分を定義できる機能です。
トポグラフィー最適化製造可能性
製造方法により、与えられた部品に適用できる補強パターンのタイプに制約条件を設定できます。
この例としては、連続的な断面が必要な流路、旋盤上で回転することが必要な円盤、ダイを移動することが必要な刻印などがあります。
トポグラフィー最適化でパターングルーピングオプションを使用することにより、これらの制約条件を考慮し、製造可能で補強パターンを持つ設計を生成できます。
パターン繰り返し
相似のトポグラフィーの配置を生成するために、異なる構造のコンポーネントをリンクできるようにする技法。
この目的を達成するには、メイン(旧称“マスター”)DTPGカードを定義し、このメインを参照する任意の数のセカンダリ(旧称“スレーブ”)DTPGカードを定義する必要があります。メインコンポーネントとセカンダリコンポーネントは、局所座標系(必須)およびスケーリング係数(オプション)で互いに関連付けられます。
パターングルーピングなどの製造用制約条件は、メインDTPGカードに適用します。これにより、これらの制約条件は自動的にセカンダリDTPG カードに適用されます。
- メインDTPGカードを作成します。
- その他の製造用制約条件を必要に応じて適用します。
- メインDTPGカードに関連付けられた局所座標系を定義します。
- メインDTPGカードを作成します。
- セカンダリDTPGカードに関連付けられるた局所座標系を定義します。
- 必要に応じてスケーリング係数を適用します。
- 任意の数のセカンダリDTPGカードについて、手順4~6を繰り返します。
局所座標系
- CAID
- 局所座標系のアンカーポイントを定義します。
- CFID
- X軸の方向を定義します。
- CSID
- XY平面を定義し、Y軸の正方向を指定します。
- CTID
- Z軸の正方向を指定します。
図 1.
スケーリング係数
図 2.
パターングルーピングオプション
トポグラフィー最適化では、70パターン以上のグルーピングオプションおよびバリエーションを使用できます。
グルーピングパターンの変数 | パターンオプション | タイプ番号 | 必要なベクトル定義 | 内容 |
---|---|---|---|---|
なし | - | 0 | - | 変数は点としてグループ化される |
One plane symmetry | - | 10 | One | 変数は最初のベクトルに垂直な1平面に鏡面対称 |
Two plane symmetry | - | 20 | Two | 変数は最初のベクトルに垂直な平面、および2番目のベクトルに垂直な平面に鏡面対称 |
Three plane symmetry | - | 30 | Two | 変数は最初のベクトルに垂直な平面、2番目のベクトルに垂直な平面、および最初のベクトルと2番目のベクトルに直交するベクトルに垂直な平面の3平面に鏡面対称 |
Linear | - | 1 | One | 変数は最初のベクトルの方向に伸びる線としてグループ化される |
+1 plane | 21 | Two | 変数は2番目のベクトルに垂直な1平面に鏡面対称 | |
+2 planes | 31 | Two | 変数は2番目のベクトルに垂直な平面、および両方のベクトルの外積で得られるベクトルに垂直な平面の2平面に鏡面対称 | |
Circular | - | 2 | One | 変数は最初のベクトルに垂直な平面にあるアンカー節点の周りの円としてグループ化される |
+1 plane | 12 | One | 変数は最初のベクトルに垂直な1平面に鏡面対称 | |
Planar | - | 3 | One | 変数は最初のベクトルに垂直な平面としてグループ化される |
+1 plane | 13 | One | 変数は最初のベクトルに垂直な平面に鏡面対称 | |
Radial 2D | - | 4 | One | 変数は最初のベクトルに対して垂直方向に放射状に伸びる線としてグループ化される |
+1 plane | 14 | One | 変数は最初のベクトルに垂直な平面に鏡面対称 | |
+2 planes | 24 | Two | 変数は最初のベクトルに垂直な平面、および2番目のベクトルに垂直な平面に鏡面対称 | |
+3 planes | 34 | Two | 変数は最初のベクトルに垂直な平面、2番目のベクトルに垂直な平面、および両方のベクトル(外積ベクトル)に直交する平面に鏡面対称 | |
Cylindrical | - | 5 | One | 変数は最初のベクトルを中心軸とし、このベクトルに沿って伸びる無限長円柱としてグループ化される |
Radial 2-D & Linear | - | 6 | One | 変数は放射状パターンおよび直線状パターンの組み合わせとしてグループ化される |
+1 plane | 26 | Two | 変数は2番目のベクトルに垂直な平面に鏡面対称 | |
+2 planes | 36 | Two | 変数は最初のベクトルと2番目のベクトルの両方に垂直な平面に鏡面対称 | |
radial 3D | - | 7 | - | 変数はアンカー節点から放射状に広がる線にグループ化される |
+1 plane | 17 | One | 変数は最初のベクトルに垂直な平面に鏡面対称 | |
+2 planes | 27 | Two | 変数は最初のベクトルに垂直な平面、および2番目のベクトルに垂直な平面に鏡面対称 | |
+3 planes | 37 | Two | 変数は最初のベクトルに垂直な平面、2番目のベクトルに垂直な平面、および両方のベクトル(外積ベクトル)に直交する平面に鏡面対称 | |
Vector defined | - | 8 | - | 変数は個々の節点のドローベクトルにより定義されるベクトルに沿ってグループ化される |
+1 plane | 18 | One | 変数は最初のベクトルに垂直な平面に鏡面対称 | |
+2 planes | 28 | Two | 変数は最初のベクトルに垂直な平面、および2番目のベクトルに垂直な平面に鏡面対称 | |
+3 planes | 38 | Two | 変数は最初のベクトルに垂直な平面、2番目のベクトルに垂直な平面、および最初のベクトルと2番目のベクトルに直交するベクトルに垂直な平面の3平面に鏡面対称 | |
Cyclical 3 | - | 40.41 | Two | 最初のベクトルで定義される軸周りに変数周期的繰り返し |
+1 plane | 50.51 | Two | 変数は最初のベクトルに垂直な1平面に鏡面対称 | |
+ linear | 60.61 | Two | 変数は最初のベクトルの方向に伸びる線としてグループ化される、周期的繰り返し | |
+ radial | 70.71 | Two | 変数は最初のベクトルに対して垂直方向に放射状に伸びる線としてグループ化される、周期的繰り返し | |
+ radial & linear | 80.81 | Two | 変数は放射状パターンおよび直線状パターンの組み合わせとしてグループ化される、周期的繰り返し |
- スポット溶接チューブ断面の最適化
- 制約されたビードパターンによるディスクのモーダル周波数の最適化
- 圧力容器の複数平面による対称性補強の最適化
- 型打ちされたハット型部材断面の形状最適化
- ソリッドコントロールアームの形状最適化
- ソリッドブロックから設計コンセプトを引き出すためのトポグラフィー最適化の使用
None
変数にパターングルーピングが選択されていない場合、OptiStructは設計変数領域全体に環状のビード変数定義を自動的に作成します。
図 3. TYP=0: 対称なし
2平面
2平面の対称性(TYP=20)の場合、下に示すとおり、対称面は1つ目と2つ目の両ベクトルに垂直に定義されます。
図 4. TYP=20: 2平面対称
Three Planes
3平面の対称性(TYP=30)の場合、対称面定義は2平面の対称性の定義と同じで、3つ目の面は1つ目と2つ目の面に垂直に、アンカーポイント位置に配置されます。
図 5. TYP=30: 3平面対称
One Plane - Simple Symmetryオプション
1平面の対称性(TYP=10)の場合、面は1つ目のベクトルに垂直に定義され、アンカー節点上に位置します。
図 6. TYP=10: 1平面対称性
Linear
linearパターングルーピングでは、OptiStructにパートの全長に沿って指定の方向にビードを作成させることが可能です。
これは、一定の断面を保持する必要のある押し出しパートの形状を最適化する場合におおいに役立ちます。また、パートがダイから生成され得るようビードが上部から下部まで存在しなくてはならない成形プレートの側壁を最適化する際にも非常に有益です。板厚の端から端までの全ての節点の動きを変数がコントロールする必要のあるソリッドモデルにおいても、linearパターングルーピングが大変便利です。
図 7. TYP=1: linearパターングルーピング
図 8. TYP=21: 1平面linear対称
図 9. TYP=31: 2平面linear対称
Circular
circularパターングルーピングでは、OptiStructに、ユーザー定義の軸周りに同心円を成すビードを作成させることが可能です。
これは、旋盤上で回転するパートのような円形の補強パターンを有する必要のある円形形状の最適化に非常に役立ちます。
図 10. TYP=2: circularパターングルーピング
図 11. TYP=12: 1平面circular対称
Planar
planarパターングルーピングでは、OptiStructに、指定の平面内にあるアクティブな節点の基底ベクトルをまとめる変数を作成させることができます。
これは、不均等なパートを横切って固定方向に延びるビードを形成する場合や、ソリッドモデルで断面形状内における変化を制御するために非常に役立ちます。
図 12. TYP=3: シンプルなplanarパターングルーピング
図 13. TYP=13: 1平面planar対称
Radial 2D
radial (2D)パターングルーピングでは、OptiStructに、中心軸から外側に向けて放射線状に延びるビードを作成させることができます。
これは、放射状の補強が求められる環状のパートの最適化に非常に役立ちます。
図 14. TYP=4: シンプルなplanarradial (2D)パターングルーピング
図 15. TYP=14: 1平面radialパターングルーピング
図 16. TYP=24: 2平面radial (2D)パターングルーピング
図 17. TYP=34: 3平面radial (2D)パターングルーピング
Cylindrical
cylindricalパターングルーピングでは、OptiStructに、円筒状サーフェスに沿ったアクティブな節点の基底ベクトルをまとめる変数を作成させることができます。
これは、ソリッドモデルの板厚の端から端までcircularパターングルーピングを並べるような場合に非常に役立ちます。
cylindricalパターングルーピング(TYP=5)の場合、OptiStructは、1つ目のベクトルについてそれに平行に、同心円状の一連の円筒を生成します。cylindricalパターングルーピングは基本的に、circularパターングルーピングと組み合わされたlinearパターングルーピングです。アンカーポイントは任意の場所に位置することが可能ですが、1つ目のベクトルは、希望される円筒の中心軸と同一線上になければなりません。
Radial 2DおよびLinear
radial linearパターングルーピングでは、OptiStructに、中心軸から放射状に延びる面に沿ってアクティブな節点の基底ベクトルをまとめる変数を作成させることができます。
これは、ソリッドモデルの板厚の端から端までradialパターングルーピングを並べるような場合に非常に役立ちます。
radial linearパターングルーピング(TYP=6)の場合、OptiStructは、1つ目のベクトルから放射状に延び、同じ平面内にある一連の平面を生成します。radial linearパターングルーピングは基本的に、radialパターングルーピングと組み合わされたlinearパターングルーピングです。アンカーポイントは任意の場所に位置することが可能ですが、1つ目のベクトルは、放射状平面に希望される中心軸と同一線上になければなりません。
radial linearパターングルーピング(TYP=26および36)の1平面および2平面は、対称面を定義するために2つ目のベクトルを使って作成することができます。対称面は、2平面および3平面対称radial定義の場合と同様に割り当てられます。
radial 3D
radial (3D)パターングルーピングでは、OptiStructに、中心点から放射方向のアクティブな節点の基底ベクトルをまとめる変数を作成させることができます。
これは、ソリッド要素で球形のモデルを最適化する場合に非常に役立ちます。
radial (3D)パターングルーピング(TYP=7、17、27、および37)の場合、OptiStructは、アンカー節点によって定義された中心点から放射状に延びる形状変数を生成します。中心軸から最も近いポイントにある放射状ビードは、最小ビード幅パラメータに等しい幅を有します。ビードの幅は、中心からの距離が大きくなるにつれて増加します。ビードの長さに制限はありません。アンカーポイントは任意の場所に位置することが可能ですが、球の中心位置が理想的です。
1平面、2平面および3平面radial (3D)対称定義用の平面は、radial (3D)パターングルーピング(TYP=10、20、および30)なしの1平面、2平面および3平面plane対称定義と同様に形成されます。
Vector Defined
vector definedパターングルーピングでは、OptiStructに、節点の個々のドローベクトルの方向と大きさにしたがってグループ化された変数を作成させることができます。
このパターングルーピングオプションは、線形ベクトルはモデル全体について一定ではない点を除くと、linearパターングルーピングと同様です。各節点についてのドローベクトルの方向は、全体線形ベクトルの代わりに変数グルーピングを決定するために使用されます。また、linearパターングルーピングオプションとは異なり、ビードの長さは無限ではありません。ビードの長さはグリッドについてのドローベクトルの大きさと同じです。このパターングルーピングオプションは、不定形のソリッドモデルの形状を最適化する際に非常に効果的です。
図 18. Vector Definedパターングルーピング
ソリッドモデルについては、内部節点がそれらに関連付けされたドローベクトルを有する場合、内部節点は、サーフェス節点と共に移動します。これにより、受容され得るメッシュ品質を保持しつつ、ソリッドパートのサーフェスから内側および外側に向かう大規模な基底ベクトルが可能となります。
vector definedパターングルーピングを効果的に使用するには、モデル内のすべての節点について基底ベクトルを作成する必要があります。サーフェス節点のみについて基底ベクトルが定義される場合、変数が内側に向け摂動するのであれば、これらの節点は、節点の2番目の層を通過して終わる可能性があります。このパターングルーピングオプションを使用する最良の方法は、ソリッドモデル内のすべての節点を中心に向けて均等につぶし、次に、その設計変数についてDESVAR位置を指すDTPGカードを作成することにより、1つの設計変数を作成します。
Cyclical
cyclicalパターングルーピングでは、OptiStructに、ユーザーが(UCYCフィールドで)決定する回数だけ繰り返す、中心軸周りの一連の対称形状変数を作成させることができます。
これは、対称状に周期的に繰り返される荷重にマッチする円形プレート内に補強パターンを割り当てたいような場合に役立ちます。
図 19. TYP=40: 3回繰り返しのcyclicalパターングルーピング
OptiStructでは、フィールド30(UCYC)に希望するウェッジ数を入力することにより、任意の数の繰り返し周期ウェッジが可能です。OptiStructは、式360.0度 / UCYCに従い、繰り返し角度を内部的に計算します。例えば、UCYCを3に設定するとそれぞれが120.0度である3つのウェッジ、UCYCを6に設定するとそれぞれが60.0度である6つのウェッジとなります。
cyclicalパターングルーピングのその他のフォーム
OptiStructは、1平面対称定義、linearパターングルーピング、radialパターングルーピングおよびradial linearパターングルーピングとcyclicalパターングルーピングとの組み合わせをサポートします。各オプションは、繰り返し角度を表わす数字が追加された異なるベースTYP番号で指定されます。
図 22. TYP=50: 1平面cyclical対称定義(3ウェッジ)
図 23. TYP=60: linear cyclicalパターングルーピング(3ウェッジ)
図 24. TYP=70: linear cyclicalパターングルーピング(3ウェッジ)
radial linear cyclicalパターングルーピング(TYP=80および81)の場合、OptiStructは、1つ目のベクトルから放射状に延び、同じ平面内にある一連の平面を生成します。radial linear cyclicalパターングルーピングは基本的に、radialパターングルーピングと組み合わされたlinear cyclicalパターングルーピングです。放射状に描かれた形状変数の全体の長さは、周期対称性となります。