OS-E:4005 回転するシェル
一部のモデルでは、時間に対する応答値の変更の比率は非常に高く、応答が設計プロセスにおいて支配的となっています。
モデルファイル
開始前に、この例で使用するファイルを作業ディレクトリにコピーしてください。
モデル概要
モデルは回転するシェル構造です。右側の穴の中央に、一塊の質量が付加されています。この構造の質量を最小化します。駆動モーションは、左側の穴の中央における回転速度です(図 2)。構造の動きは、時計の秒針のようなものです。全ての要素の応力は、許容値未満でなければなりません。4つの形状設計変数は、コントロールすることが可能です。図 1. 回転するシェル

図 2. 駆動モーションのプロファイル


結果
初期モデルを解析した後、HyperViewを使って応力の時刻歴を確認することができます。図 3. 初期設計の解析結果


図 3によると、応力のピークは0.3秒の辺りです。これらのピークの値が最も大きいため、設計プロセスにおいて、0.3秒辺りで応答が支配的になることが期待できます。最適化プロセスがより正確な応答を考慮できるよう、約0.3秒のタイムピリオドにズームインするとよいでしょう。このケースでの標準的な手順を以下に示します:
- MBSIMカード内で、相当数の手順で解析モデルを実行します。
ANALYSIS $ DESOBJ(MIN)=1 $ SUBCASE 1 MBSIM = 10 MOTION = 11 DESSUB = 11 SPC = 10 : : MBSIM 10 TRANS END 0.7 NSTEPS 100
ここで、解析結果の図内と同様、構造の挙動を求めることができます。
- HyperViewによってポスト処理された結果によると、最大応力は0.3秒辺りで展開されています。0.3秒辺りのタイムステップ数を増加させます。0.28秒から0.34秒までのタイムピリオドを200のステップに分割します。この期間内のタイムステップの数を増やすことで、より多くの情報が最適化エンジンに提供されます。
要素は最大応力を有し、設計が変更されると対応する時間も変更することが可能です。したがって、ステップ2は常には機能しません。最大応力が展開され、設計の変更に伴い対応する要素が大幅に変更されることが期待される場合、変更されたピーク時間と対応する要素をできる限り考慮することが最良です。
- 次のとおり、上記の1つのMBSIMカードを複数のMBSIMカードに置き換えます。
MBSIM 1 TRANS END 0.28 NSTEPS 50 + VSTIFF MBSIM 2 TRANS END 0.34 NSTEPS 200 + VSTIFF MBSIM 3 TRANS END 0.70 NSTEPS 50 + VSTIFF MBSIM 4 TRANS END 1.0 NSTEPS 100 + VSTIFF MBSEQ 10 1 2 3
- ANALYSISコマンドを削除することにより、最適化問題を実行します。
$ANALYSIS DESOBJ(MIN)=1 $ SUBCASE 1 MBSIM = 10 MOTION = 11 DESSUB = 11 SPC = 10 : : MBSIM 1 TRANS END 0.28 NSTEPS 50 + VSTIFF MBSIM 2 TRANS END 0.34 NSTEPS 200 + VSTIFF MBSIM 3 TRANS END 0.70 NSTEPS 50 + VSTIFF MBSEQ 10 1 2 3
上記のステップを使用することにより、設計プロセスの収束を強化することができます。