OS-E:0855 プレートの信頼性ベースのトポロジー最適化
この例題では、OptiStructを用いた2次元プレートの信頼性ベースのトポロジー最適化(RBTO: Reliability-based Topology Optimization)を取り上げます。
RBTOは信頼性ベースの設計最適化(RBDO: Reliability-based Design Optimization)の一部で、不確定要素を考慮した最適設計を提供するために使用されます。最終設計の精確な信頼性評価を保持しつつRBDO問題を効率的に解くために、OptiStructには2つのフェーズから成るアプローチが実装されています。ユーザー定義の信頼性の要件に基づいて、設計変数、制約条件および目標の信頼性がテストされます。
目的は、垂直荷重(負のY方向に力が付与されている)に耐えている2次元プレートの信頼性ベースのトポロジー最適化を行うことです。設計空間は図 1において青色で示されています。

図 1. FEモデル - シェル要素でメッシングされた2次元プレート. プレートの上部にY方向の力が付与されています。
モデルファイル
モデル概要
X方向の載荷を設計可能な荷重として定義するために、DVLREL1エントリが使用されます。DESVARエントリは、ランダム設計パラメータとしてDVLREL1載荷を定義します(標準偏差0.3の正規分布)。X方向のRandom入力載荷の存在により、設計ではランダム性が考慮されるようになります。また、目的は確率95 %の信頼性でコンプライアンスを最小化することで、体積率は0.3に制約されます。
Random ParametersとRandom Design Variablesは、設計変数がランダム性の影響を含むために利用可能な2つのオプションです。Random ParametersオプションはDESVARエントリでRANP継続行を、Random Design VariablesオプションはDESVARエントリでRAND継続行を使ってアクティブにします。この問題では、X方向のLoadingがランダムパラメータであることを特定するためにRANP継続行を使用します。Random ParameterオプションとRandom Design variableオプションとの違いは、RANPについて設計変数のランダム性がその指定された初期値または平均から考慮される点にあります。平均値は最適化プロセスの間、変化しません。ここで、RANDについては設計変数の平均値もまた、ランダム性の考慮に加え、変化します(RANPと同様)。この例題では、RANPオプションは、X方向の載荷のランダム性を考慮するためだけに使用されます。
コンプライアンスについて95%の信頼性確率の設定の存在は、X方向の載荷のランダム性に基づき得られたコンプライアンス分布の95パーセンタイル値を最小化しようとしていることを意味します。詳細については、ユーザーズガイドの信頼性ベースの設計最適化をご参照ください。
また、ランダムパラメータが除外される決定論的トポロジー最適化の実行も行われます。
- 要素タイプ
- CQUAD4
- プロパティ
- 値
- ヤング率
- 2.1E7 PA
- ポアソン比
- 0.3
結果

図 2. (A) 信頼性ベースのトポロジー最適化; (b) 決定論的トポロジー最適化