NLCTRL
バルクデータエントリ キーワードを使用して、非線形静解析および非線形過渡解析におけるさまざまな制御パラメータを定義します。
フォーマット
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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NLCTRL | ID | PARAM1 | VALUE | PARAM2 | VALUE | PARAM3 | VALUE | ||
PARAM4 | VALUE | PARAM5 | VALUE | PARAM6 | VALUE | ||||
etc. |
例
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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NLCTRL | 23 | TTERM | 1.0 | DT | 0.1 | ||||
NCUTS | 5 | DTMAX | 0.2 | DTMIN | 1.0E-5 | ||||
TOLU | 0.01 | ||||||||
TOLF | 0.005 |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
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ID | それぞれのNLCTRLバルクデータエントリには固有のIDが必要です。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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TTERM | サブケース終了時間。 デフォルト = 1.0 (実数 > 0.0) |
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DT | 初期時間増分。 デフォルト = 1.0 (実数 > 0.0) |
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NINC | DTを決定するためのインクリメント数。 4 デフォルト = 1(実数≧ 0.0) |
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DTMIN | 最小許容時間インクリメント。 デフォルト値は終了時間に1.0E-5というスケールファクターを掛けたものとして与えられます。 (実数 > 0.0) |
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DTMAX | 最大許容時間インクリメント。最初の増分では無視されます。 (実数 > 0.0) |
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DIRECT | アダプティブな時間増分。 5
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TOLF | 力の収束基準のトレランス。 6 デフォルト = 0.005 (実数 > 0.0) |
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TOLU | 変位の収束基準のトレランス。 7 デフォルト = 0.01 (実数 > 0.0) |
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TOLM | モーメントの収束基準のトレランス。 デフォルト = 0.005 (実数 > 0.0) |
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TOLR | 回転の収束基準のトレランス。 デフォルト = 0.01 (実数 > 0.0) |
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ITER | 力とモーメントに対して別の収束トレランス(TOLFLIおよびTOLMLI)がチェックされる最初の反復番号。 9 デフォルト = 9(実数≧ 0.0) |
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TOLFLI | 反復番号が大きい(ITER以上)場合に使用する別の力収束基準のトレランス。 9 デフォルト = 0.02 (実数 > 0.0) |
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TOLMLI | 反復番号が大きい(ITER以上)場合に使用する別のモーメント収束基準のトレランス。 9 デフォルト = 0.02 (実数 > 0.0) |
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TOLUZF | 力がゼロの場合に使用する別の変位収束基準のトレランス。 10 デフォルト = 0.001 (実数 > 0.0) |
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TOLRZM | モーメントがゼロの場合に使用する別の回転収束基準のトレランス。 10 デフォルト = 0.001 (実数 > 0.0) |
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REFF | 基準力。 11 (実数 > 0.0) |
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REFM | 基準モーメント。 11 (実数 > 0.0) |
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MAXITER | 各増分での許容最大反復回数。17、 18 デフォルト = 25(実数≧ 0.0) |
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MAXINC | 解析する増分の最大数。 (整数 > 0) |
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MAXLS | ライン検索の最大数。 12 デフォルト = 0(実数≧ 0.0) |
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LSTOL | ライン検索のトレランス。 12 デフォルト = 1.0E-3(実数 > 0.0) |
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NCUTS | 時間インクリメントの削減を許容するカットバックの数。 デフォルト = 5(実数≧ 0.0) |
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NOPCL | 節点の開閉状態を変更可能なグリッドの数。 (整数 ≥ 0) |
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NSTSL | 節点の固着 / すべり状態を変更可能なグリッドの数。 デフォルトなし(整数 ≥ 0) |
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EXTRA | 増分の開始時の解の外挿。 13
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STABILIZ | 安定化エネルギーを追加します。 14 | |
MAXAUG | 非線形接触で拡張ラグランジュ未定乗数法がアクティブな場合に、各時間増分内で許容される拡大数。 17 デフォルト = 50(実数≧ 0.0) |
コメント
- NLCTRLバルクデータエントリは、サブケース情報エントリNLCTRL=IDによって選択されます。
- 陰解法非線形サブケースでは、次のいずれかの制御エントリを使用します:NLPARM、NLCTRL、またはTSETPNLバルクデータエントリ。TSTEPNLは、非線形過渡サブケースで使用されます。NLCTRLバルクデータエントリは、NLPARMバルクデータエントリの代わりに使用され、以下のコメントで示された考慮事項に基づいて収束を制御し、非線形ソルバーの収束を改善できます。 NLPARMおよびNLADAPTでサポートされている多くのフィールドオプションは、キーワードを介してNLCTRLでも直接使用できます。
- TTERMは、サブケースが終了するまでの期間です。サブケースの継続の場合、これはローカルサブケース期間で、サブケースの開始時間と終了時間で異なります。非線形過渡サブケースでは、TTERMの指定値は、TSTEPバルクデータエントリのNiおよびDTiフィールドに基づいて計算されます(これらが指定されている場合)。
- DTはユーザー指定の初期時間です。NINCとDTが同時に指定されると、NINCファイルは無視されます。
- DIRECT=NOは、非線形静解析と非線形過渡解析の両方でアダプティブな時間増分スキームをアクティブ化するのに使用します。次の増分の時間ステップは、反復の回数に基づいて調整されます。ジオメトリや材料の計算に非常に非線形な難しさがある場合は、時間ステップが変更されます。非線形過渡解析では、自動の時間ステップがチェックされ、速度や加速度に関する変位誤差が制御されます。最後は、両方の時間ステップのうち小さい方の値が選択されます。詳細については、TSTEPバルクデータエントリをご参照ください。
- NLCTRLを使用するこれらのサブケースでは、エキスパートシステムの特別な時間調整PARAM,EXPERTNLが無視されます。ただし、PARAM,EXPERTNL,CNTSTBが指定されている場合、NLCTRLが使用されるこれらのサブケースでは、接触の安定化が実行されます。
- TOLFは、力基準のトレランスです。力の相対誤差は以下のように定義されます:
(1) ここで、- 並進方向の任意の自由度の最大残差力
- 直接指定するか、荷重履歴に基づいてモデルのOptiStructによって計算される基準力
アダプティブな時間増分スキームの場合、 は複数の増分にわたる力の時間平均です。これは以下のように表されます:(2) ここで、- 回目の増分でのモデルの力の空間平均
- アクティブな増分の回数
力の空間平均 は、すべての節点力と要素力をチェックする際の、与えられる力、反力、要素内力など、自由度系のゼロでない有意な力の平均値です。(3) ここで、 は、アクティブな自由度の数です。回転方向でのモーメントの収束基準は、力の収束基準と同様にして、別々に処理されます。
- TOLUは、変位基準のトレランスです。変位の相対誤差は、現在の増分のみに基づいて計算されます:
(4) ここで、- 1回の反復での最大変位補正。
- 並進方向の1自由度の現在の増分における最大変位変化。
- 反復数がITER以上の場合には、別のトレランスTOLFLIおよびTOLMLIが使用されます。
- 力とモーメントの時間平均値が重要ではない(つまり、アクティブな負荷がない)場合の反復では、別のトレランスTOLUZFおよびTOLRZMが使用されます。
- 基準力REFFまたは基準モーメントREFMが指定されている場合、基準値は指定された値に置換され、解析を通して一定に保たれます。
(5) または(6) - MAXLSとLSTOLを使用するライン検索方法は、SMDISP NLSTATでのみサポートされています。詳細については、NLPARMサブケース情報エントリをご参照ください。
- EXTRA=YESの場合、線形外挿が増分の最初に前回の増分での変位変化に基づいて実行されます。このオプションは、LGDISP NLSTATでのみサポートされます。
- STABLIZオプションについては、NLADAPTバルクデータエントリをご参照ください。
- NLPARMとNLCTRLの両方のバルクデータエントリを、同じ陰解法非線形サブケースで一緒に指定することはできません。
- 陰解法非線形サブケース、増分、ニュートンラプソン反復の詳細な収束チェック情報は、 _nl.outファイルに出力されます。非線形解析の実行情報をチェックし、陰解法非線形解析ジョブの進行状況を監視するための追加オプションは、ユーザーズガイドの実行時監視に記載されています。
- 拡張ラグランジュ未定乗数法の詳細については、ユーザーズガイドの拡張ラグランジュ未定乗数(ALM)法(非線形解析)をご参照ください。
- 非線形接触で拡張ラグランジュ未定乗数法がアクティブな場合、時間増分の各拡張でMAXITERが考慮されます。