OS-E:0825 マルチモデル最適化(MMO) – 2つの異なるC型クリップのパターン繰り返しを含んだ設計スケーリング
マルチモデル最適化は、異なる寸法のパートを最適化する必要がある際に使用することができます。これは、スケーリングされた設計が適用されるべきモデルで、リンクされたDTPLおよびDSIZEエントリのSCALE継続行を使用することで実現されます。
この例題では、2つのモデル間でリンクされているトポロジー最適化の設計変数が使用されます(図 1)。モデル全体は、PSHELL要素から成る設計空間です。境界条件は各モデルで異なります。

図 1. サイズの異なる2つのC型クリップモデル. 設計空間と異なる境界条件を含んだモデル全体
モデルファイル
モデル概要
Model 1とModel 2は境界条件が異なります。Model 1に付与される相反する力はクリップのアームを外側に動かそうとし、Model 2では力がアームを内側に動かそうとします。また、Model 2はX方向に2.0倍、Y方向に3.0倍スケーリングされています。
- FE Model
- 要素タイプ
- CQUAD4
- MAT1
- ヤング率
- 2.1E5
- ポアソン比
- 0.3
- 初期密度
- 7.9E-9
- 最適化のタイプ
- トポロジー最適化
- 応答
- 質量の静的変位
- 目的関数
- 質量の最小化
- 制約条件
- 静的変位(2つの節点)
まず個々のトポロジー最適化モデルをセットアップし、続いて、実行中にエラーや重大な警告がないか、それらを別々にテストします。
ASSIGN,MMO,bc1,c_clip.fem
ASSIGN,MMO,bc2,c_clip.fem
$
BEGIN BULK
$
ENDDATA
リンクされた設計変数と領域はすべての点で(COORDおよびSCALE継続行を除き)全く同じでなければなりません。付与される設計パラメータと製造用制約条件は、すべてのモデルでマッチする必要があります。この制約は、リンクされていない領域には適用されません。また、内部的なパターン繰り返しを円滑にするために、COORD継続行が対応する設計変数または領域のエントリ上で必要となります(DTPL、DSIZE、など)。これにより、リンクされた設計領域に渡って繰り返されるパターンの方向と位置が認識可能となります。
設計領域は次のようにリンクされます:

図 2.
SECOND継続行は、設計に適用されるスケーリング係数を特定します。
COORD継続行は、アンカーポイントの特定と複数のモデル間の設計のマッピングを可能にします。この継続行は必須ではありません。
結果
スケーリングされた設計は、元の設計と同様のパターンを有しています(図 3)。

図 3. 設計がスケーリングされた2つのC型MMOクリップモデル