FATPARM
バルクデータエントリ 疲労解析に必要なパラメータを定義するために使用します。
フォーマット
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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FATPARM | ID | TYPE | MAXLFAT | PSEUDO | |||||
STRESS | COMBINE | UCORRECT | STRESSU | PLASTIC | SURFSTS | GRD | SCBFKM | ||
UNIT | LENUNIT | ||||||||
RAINFLOW | RTYPE | GATEREL | |||||||
PRPLD | CHK | ||||||||
MCORRECT | MC1 | MC2 | MC3 | MC4 | |||||
CERTNTY | SURVCERT | ||||||||
SPWLD | METHOD | CORRECT | SURVCERT | THCKCORR | NANGLE | ||||
SMWLD | METHOD | CORRECT | SURVCERT | THCKCORR | |||||
RNDPDF | PDF1 | PDF2 | PDF3 | ||||||
RANDOM | FACSREND | SREND | NBIN | DS | STSUBID | ||||
SWEEP | NF | DF | STSUBID | ||||||
PSEUDO | NPV | NOISETHR | MXHOTSPOT | NACTDMG | |||||
NPLNCRT | NPLN | ||||||||
SOLDER | METHOD | AVG/ELEM | |||||||
MCRVS | UPEXTPL | HGHINTPL | |||||||
FOS | METHOD | TGLIFE | |||||||
STFAIL | STATNC | CHK |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
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ID | それぞれのFATPARMカードには固有のIDが必要です。FATPARMサブケース情報エントリによってこの識別子が参照される場合があります。 デフォルトなし(整数 > 0) |
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TYPE | 定義された疲労解析タイプ。 | |
MAXLFAT | 多軸疲労解析のアクティブ化を制御します。
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PSEUDO | 疲労計算で使用する疑似損傷法をアクティブ化するフラグ。 詳細については、ユーザーズガイドの疑似損傷手法をご参照ください。 |
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STRESS | パラメータが次に続くことを示します。このパラメータは、疲労計算で応力がどのように使用されるのかを定義します。 | |
COMBINE | 符号付フォンミーゼス、符号付トレスカ、符号付最大せん断の符号には、絶対最大主値の符号が用いられます。 応力寿命には合成された応力値が使用され、ひずみ寿命には合成されたひずみ値が使用されます。 ひずみ寿命において、せん断ひずみ成分は工学せん断ひずみ(テンソルせん断ひずみの2倍)です。
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UCORRECT | 単軸疲労解析の平均応力補正法。 5 6 7 15 TYPE=SNの場合の有効なオプション:
TYPE=ENの場合の有効なオプション:
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STRESSU | FE解析応力テンソル単位。この単位が必要なのは、SN/ENカーブ(MATFATカード)は別の単位で定義されることがあり、与えられた応力レベルの疲労寿命をSNカーブ上で参照するには、その前にFEA応力を変換する必要があるためです。 9
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PLASTIC | このフィールドはTYPE=ENの場合のみ適用されます。
TYPE=SNの場合は使用されません。 TYPE=EN, NEUBERのみが有効なオプションです。 |
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SURFSTS | サーフェス応力のオプション。 多軸疲労解析の場合、デフォルトではモデル内の自由表面の損傷を計算するために膜が作成され、これはH3Dファイル内のAUTO_SKINコンポーネントとして表示できます。 |
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GRD | 応力勾配効果。
注: GRDCDまたはGRDFKMが指定されている場合、SURFSTSフィールドは自動的に節点応力の GPに設定されます。
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SCBFKM | FKM応力勾配法で応力勾配を計算するための組み合せ応力。
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UNIT | 次のフィールドが疲労解析における長さの単位を定義していることを示すフラグ 詳細については、単位系をご参照ください。 |
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LENUNIT | 長さの単位。詳細については、単位系をご参照ください。
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RAINFLOW | レインフローカウンティングに必要なパラメータが次に続くことを示します。このフラグおよび関連するパラメータは、TYPEフィールドがSNまたはENに設定されている場合にのみ使用されます。 | |
RTYPE | レインフローデータタイプ。 1
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GATEREL | 最大ゲート幅の相対的な割合。参照値は最大幅にGATERELを掛けた値で、時系列における微小の外乱(ノイズ)を除去するために使用します。 デフォルト = 0.2(0.0 ≤ 実数 < 1.0) |
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PRPLD | 比例荷重の取り扱いに関する情報が次に続くことを示すフラグ。 | |
CHK | 多軸疲労解析の比例荷重かどうかを確認します。 比例荷重とは、多軸荷重が同位相であることを意味します。
詳細については、ユーザーズガイドの多軸疲労解析をご参照ください。 |
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MCORRECT | 多軸平均応力補正の情報が次に続くことを示すフラグ。 | |
MCi | 多軸疲労解析で使用される平均応力補正。4つのMCiフィールドで複数の平均応力補正モデルを指定できます(順序は問われません)。 TYPE=SNの場合の有効なオプション:
TYPE=ENの場合の有効なオプション:
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CERTNTY | 疲労解析の確実性を定義するパラメータが次に続くことを示します。このフラグおよびこの後のパラメータは、TYPEフィールドがSNまたはENに設定されている場合にのみ使用されます。 | |
SURVCERT | SNカーブの分布に基づいた生存の確実性。 4 デフォルト = 0.5、(0.0 < 実数 < 1.0) |
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SPWLD | 次のパラメータがスポット溶接疲労解析に使用されることを示すフラグ。 | |
METHOD | スポット溶接疲労解析法。
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UCORRECT | 単軸疲労解析の平均応力補正指標。
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SURVCERT | 生存の確実性。 デフォルト = CERTNTY継続行のSURVCERT値(0.0 < 実数 < 1.0) |
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THCKCORR | 厚み補正フラグ。
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NANGLE | シートおよびナゲット上で検証される角度数。 デフォルト = 20(整数 > 0) |
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SMWLD | 次のパラメータがシーム溶接疲労解析に使用されることを示すフラグ。 | |
METHOD | シーム溶接疲労解析法。
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UCORRECT | 単軸疲労解析の平均応力補正指標。
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SURVCERT | 生存の確実性。 デフォルト = CERTNTY継続行のSURVCERT値(0.0 < 実数 < 1.0) |
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THCKCORR | 厚み補正フラグ。
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RNDPDF | ランダム応答確率密度関数の情報が次に続くことを示します。 12 | |
PDFi | ランダム応答疲労解析で使用されるランダム応答確率密度関数。3つのPDFiフィールドで複数の関数を指定できます(順序は問われません)。
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RANDOM | ランダム応答疲労のパラメータが次に続くことを示します。このフラグおよびこの後のパラメータは、LCIDフィールドがランダム応答解析サブケースを参照する場合にのみ使用されます。 | |
FACSREND | 応力範囲の上限(SREND)を計算します。 10 デフォルト = 8.0(実数 > 0.0または空白) |
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SREND | 応力範囲の上限を直接指定するために使用します。 デフォルト = FACSRENDに基づくSREND(実数 > 0.0または空白) |
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NBIN | 確率を計算する応力範囲の範囲の幅を計算します。 11 デフォルト = 100(整数 > 0、または空白) |
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DS | 応力範囲の幅を直接定義するために使用します。 デフォルト = NBINに基づくDS(実数 > 0.0または空白) |
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STSUBID | ゼロでない平均応力をもたらすような荷重による平均応力補正を考慮するために、静的サブケースのサブケースIDを参照します。 デフォルト = 空白(整数 > 0、または空白) |
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SWEEP | 掃引疲労解析のオプションが次に続くことを示すフラグ。 13 | |
NF |
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DF | 周波数応答サブケースの最初の周波数から最後の周波数までの周波数増分。DFが定義されている場合、NFは無視されます。 14 デフォルト = 空白(実数) |
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STSUBID | ゼロでない平均応力をもたらすような荷重による平均応力補正を考慮するために、静的サブケースのサブケースIDを参照します。 デフォルト = 空白(整数 > 0、または空白) |
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PSEUDO | 疑似損傷法のオプションを指定するフラグ。 詳細については、ユーザーズガイドの疑似損傷手法をご参照ください。 |
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NPV | 近似荷重履歴にある山-谷ペアの数。 詳細については、ユーザーズガイドの疑似損傷手法をご参照ください。 デフォルト = 3(整数) |
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NOISETHR | 要素クラスターが終了するための基準となるしきい値。クラスターを構成する2つの要素間で正の勾配が検出された場合でも、これらの要素間で疑似損傷の差異がNOISETHRを下回っていれば、この要素クラスターは拡大を継続できます。クラスター境界で疑似損傷の差異がNOISETHRを上回っていると、クラスターの拡大は終了します。 詳細については、ユーザーズガイドの疑似損傷手法をご参照ください。 デフォルト = 1.0E-8(実数 > 0.0) |
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MXHOTSPOT | ホットスポットクラスターの数。 デフォルト = モデル全体の合計要素数の1%または2,000のうち小さい値(整数 > 0) |
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NACTDMG | クラスターの中で実際の損傷に算入する要素の数。 デフォルト = 20(整数 > 0) |
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NPLNCRT | 多軸疲労解析の臨界面計算パラメータが次に続くことを示す継続行。 | |
NPLN | 多軸疲労解析で損傷が評価される平面の数。最後に評価される2つの平面は、必ず45度と135度の平面です。 デフォルト = 20(8 < 整数 < 92) |
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SOLDER | はんだ疲労解析をアクティブにするための継続行。 | |
METHOD | はんだ疲労解析用の手法。 21
デフォルト値なし |
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AVG/ELEM | 損傷計算でクリープひずみまたはクリープエネルギー密度を使用する方法を制御します。
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MCRVS | 複数のSN曲線(MATFATのSNTBL継続行を介して定義される)の定義に以下のオプションが適用可能であることを示す継続行。 | |
UPEXTPL | SN曲線の外挿を制御します。
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HGHINTPL | このオプションは、MATFAT上で複数のHaigh図が定義されている場合に適用でき、複数のHaighダイアグラム間の補間を制御します。 24
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FOS | 安全係数解析がアクティブ化されていることを示すフラグ。22、 23 | |
METHOD | 安全係数(SF)の計算方法。
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TGLIFE | これは、安全係数が評価される目標寿命です。スケールファクターの計算に逆算(SCALE法)が使用される目標寿命でもあります。 デフォルトなし(実数) |
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STFAIL | 静的破壊チェックの情報が次に続くことを示すフラグ。 | |
STATNC | 静的破壊の遷移サイクルの定義方法を特定します。
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CHK | このフィールドは、静的破壊チェックの挙動を制御します。 27
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コメント
- RTYPE=LOADは、イベント内にたった1つの静的荷重ケースが定義されている場合に有効です。イベント内に複数の静的荷重ケースが含まれている場合、異なる荷重ケース間で応力の重ね合わせが発生するため、RTYPEには自動的にSTRESSが設定されます。荷重-時間履歴に対してレインフローカウンティングを行っても、これには対処できません。
- RTYPE=LOADの場合、荷重-時間履歴はレインフローサイクルカウンティングの方法を使用してカウントされます。サイクルカウンティングの結果(荷重の幅と平均)は、合成されたFEA応力によってスケーリングされます。応力-時間(RTYPE=STRESS)に対してレインフローカウンティングを行うよりも、荷重-時間に対してレインフローカウンティングを行う方がはるかに高速です。これは、荷重-時間履歴が複雑であり、多くの時刻ポイントが含まれている場合は特に顕著となります。ただし、精度は低くなります。
- RTYPE=STRESSの場合、応力-時間履歴はレインフローサイクルカウンティングの方法を使用してカウントされます。応力-時間履歴の長さは荷重-時間と同じです。一方、応力時間の各ポイントは合成された応力の値であり、ここでの応力テンソルは対応する荷重-時間履歴のyポイント値によってスケーリングされたFEA応力です。
- 生存の確実性は、SN/ENカーブの分布に基づきます。これは、材料カード(MATFAT)の疲労プロパティで定義されている標準誤差パラメータ(SE)に従ってSN/ENカーブを変更する際に使用されます。より高い信頼性レベルを得るには、より大きな生存の確実性が必要です。
- =GERBER2は、GERBER法の改良版で負の平均応力の影響を無視します。
- =MORROW2は、MORROW法の改良版で負の平均応力の影響を無視します。
- =SODERBEはGOODMANと多少異なります。平均応力は、最大引張応力ではなく、降伏応力により正規化されます。ここで、
- 等価応力振幅
- 応力振幅
- 平均応力
- 降伏応力
- Dang Van安全率解析(TYPE=DANGVAN)では、STRESS、RAINFLOW、およびCERTNTY継続行は無視されます。
- UNITSまたはDTI UNITSが指定されている場合、STRESSUのデフォルト値はUNITSまたはDTI UNITSのエントリにより決まります(UNITSエントリはDTI UNITSより優先されます)。UNITS、DTI UNITS、またはSTRESSUが指定されていない場合、STRESSUのデフォルト値はMPAになります。UNITSまたはDTI UNITSが発行された場合。
詳細については、単位系をご参照ください。
- 応力範囲の上限は、SREND = 2*RMS Stress*FACSRENDとして計算されます。RMS応力はランダム応答サブケースから出力されます。
- 応力範囲の幅は、DS=SREND/NBINとして計算されます。
- 振動疲労解析(ランダム応答疲労および正弦波掃引疲労)は、SNとENの両方の疲労解析でサポートされます。単軸疲労 / 多軸疲労の選択は、振動疲労解析には適用されません。振動疲労解析でサポートされる組み合わせ応力タイプは、符号付きフォンミーゼス応力、絶対最大種応力、および臨界面です。
- 正弦波掃引疲労解析では、溶接疲労はサポートされません。ランダム応答疲労解析では、溶接疲労はサポートされます。
- DFに基づいて計算された周波数において周波数応答結果が得られない場合、それらの周波数応答結果は最も近い2つの結果から補間されます。
- UCORRECTフィールドは、単軸疲労解析(静的疲労、過渡疲労、ランダム疲労、および正弦波掃引疲労)のみに適用できます。このフィールドは多軸疲労解析では適用できません。多軸疲労解析の場合は、平均応力補正法用にMCORRECT継続行が使用されます。
- 一般的に、材料データにある弾性係数(E)と剛性係数(G)の単位は、FATPARMカードの応力単位フィールド(STRESSU)から取得されます。SN疲労の場合、材料データにある弾性係数の単位は、臨界距離をアクティブにしている場合、FATPARMカードの応力単位フィールド(STRESSU)から取得されます。
- SURFSTS=GPオプションは、SN、EN、およびFOS疲労解析と最適化でサポートされています。また、このオプションは、ソリッド要素のみでサポートされます。最適化が可能であり、DRESP1上のRTYPEをFATIGUEに設定する必要があります。PTYPEはPSOLIDまたはELEMである必要があり、ATTAはFOSである必要があります。
- SURFSTS=GPの場合は、FATDEF上のELSET/PROP継続行を介して定義された要素から要素を除外するのに、FATDEF上のXELSETおよびXELEM(使用可能な場合)が最初に考慮されます。節点は、その後、残りの要素から設定されます。次に、FATDEF上のXGSETとXGRID(使用可能な場合)が適用されて、任意の節点が除外されます。
- SURFSTS=GPで、単一の節点に複数のプロパティが関連付けられている場合、疲労解析で使用されるその節点のGPSTRESSは、その節点における平均化されたGPSTRESSです。1つの節点に複数の材料が関連付けられている場合、詳細はユーザーガイドの表面損傷 を参照してください。
- TYPE=SOLDERの場合は、SOLDER継続行に続けてMETHODフィールドを指定する必要があります。
- METHODがSYEDW、SYEDEPS、DARVのいずれかの場合は、基礎となる解析でクリープ材料(MATVP)をはんだ接合部に使用する必要があります。
- 安全係数は、目標応力(耐久限界)に基づいており、単軸と多軸の応力寿命(SN)疲労でサポートされています。安全係数は、目標応力振幅と、応力履歴で検出された1サイクルの応力振幅の比率です。レインフローカウンティング時のすべての応力振幅から、最小の安全係数が報告されます。最小の安全係数が1.0より大きい場合、構造は応力履歴下で安全と見なされます。安全係数は、一定平均応力または一定応力比を使用して計算されます。
- 安全係数を出力するには、FOS入出力オプションエントリを指定する必要があります。安全係数の出力は、SN疲労の複数のSN曲線 / Haigh図(MATFATのSNTBL)でもサポートされています。
- HGHINTPLフラグを介した複数のHaigh図に対する補間オプションは、金属SN疲労解析でサポートされています。単軸と多軸のSN疲労がサポートされています。静解析、過渡解析、ランダム応答解析、正弦波掃引疲労解析がサポートされています。
- 特定の目標寿命(TGLIFE)のスケールファクターを計算するには、疲労の逆算を使用できます。これは、FOS出力を要求した後、FOS継続行のTGLIFEフィールドに目標寿命を設定することでアクティブ化できます。逆算の場合、METHODフィールドはSCALEに設定する必要があります。結果はH3DとOPTIのフォーマットでサポートされています。
- 応力組み合わせの臨界面アプローチ(COMBINE=CRTPLN)は、以下に対してサポートされています。
- ランダム疲労(SNおよびEN)
- 正弦波掃引疲労(SNおよびEN)
- ランダムでの正弦波掃引、ランダムでの正弦波、およびマルチサイントーン疲労(SN)
- 表面仕上げ、表面処理、および疲労強度減少係数によるSN曲線の変更は、SN曲線内の静的破壊の遷移サイクルより大きいサイクルにのみ適用されます。
- HyperMeshでは、このカードは荷重コレクターとして表されます。