EIGVSAVE

サブケース情報エントリ EIGVSAVEコマンドを使用すると、外部データファイル(.eigv)にノーマルモード解析、モーダル周波数応答、モーダル過渡解析の固有値および固有ベクトルの結果を出力できます。

フォーマット

EIGVSAVE = integer

定義

引数 オプション 説明
integer <整数>

デフォルト値はありません。

ノーマルモード解析、モーダル周波数応答、モーダル過渡解析で得られた固有値および固有ベクトルを外部データファイルに出力します。

外部固有値データファイル名の形式は下記のとおりです。

<prefix>.#.eigv

ここで、
<prefix>
EIGVNAME入出力オプションエントリによって定義されます。
#
定義された整数引数。 4

コメント

  1. EIGVSAVEはサブケースごとに一度しか記述できません。
  2. EIGVSAVEを指定しなかった場合、固有値および固有ベクトルの結果は外部データファイルにエクスポートされません。
  3. EIGVSAVEは流体要素ではサポートされていません。
  4. ここで指定された整数引数は、.eigvファイル名の一部として次のように使用されます:

    testfile.femという名前の入力ファイルで、EIGVNAMEエントリを使用せずに、EIGVSAVE=50と指定した場合、固有値と固有ベクトルの結果はtestfile.50.eigvファイルにエクスポートされます。この入力ファイル名は、EIGVNAMEエントリが指定されていない場合に.eigvファイルのデフォルトファイル名として使用されることがわかります。

  5. モーダル周波数応答解析またはモーダル過渡解析によるEIGVRETRIEVE実行の場合は、次のようになります:
    • 部分的なモデルの固有ベクトルがEIGVSAVEを介して保存される場合、EIGVRETRIEVEはAMSES(EIGRA)とAMLSの固有値ソルバーでのみ使用できます。
    • フルモデルの固有ベクトルがEIGVSAVEを介して保存される場合、EIGVRETRIEVEはLanczos(EIGRL)、AMSES(EIGRA)、およびAMLSの固有値ソルバーで使用できます。
  6. モーダル周波数応答解析とモーダル過渡解析でEIGSAVEEIGVRETRIEVEを使用できるシナリオはいくつかあります。代表的な2つのユースケースに対する推奨アプローチは次のとおりです:
    1. 部分的なモデルの固有ベクトルを.eigvファイルに保存します:EIGVSAVEの実行時に、自由度の部分的なセットのみの固有ベクトルを.eigvファイルに保存すると、パフォーマンスが向上する可能性があります。このアプローチは、EIGVRETRIEVEの実行時に、それらの一部の自由度(またはそれらのサブセット)のみの出力を要求する必要がある場合に実現可能です。
      • 現在、EIGVSAVE実行で一部の自由度の固有ベクトルを保存するには、AMSESとDISP=SETを使用するのが唯一の方法です(SETは、*.eigvファイルに固有ベクトルを保存する必要がある自由度を表します)。
      • EIGVSAVE解析のタイプは、RESVEC生成の処理方法に依存します。さらにこの処理方法は、EIGVRETRIEVEの実行時に使用される荷重のタイプに依存します。いずれにせよ、AMSESはEIGVRETRIEVEの実行時に使用できます。以下に例を示します:
        • FORCE荷重がEIGVRETRIEVE実行で適用される場合は、EIGVSAVE実行はノーマルモード解析とすることが推奨されます。該当するFORCE自由度からなるUSETと共に、RESVEC=YESを定義できます。こうすることで、単位荷重RESVEC*.eigvファイルに保存されます。
          注: 代わりに、EIGVSAVE実行を、対応するFORCE荷重が適用されたフルセットアップのモーダルFRT / 過渡解析とすることもできます。ただしこの場合、推奨されるノーマルモードのEIGVSAVEの実行と比べて、実行時間が長くなります。
        • EIGVRETRIEVE実行にSPCD荷重が適用される場合、EIGVSAVE実行は、フルセットアップのモーダル周波数応答解析またはモーダル過渡解析である必要があります(EIGVRETRIEVE実行に類似)。EIGVRETRIEVE実行でSPCD荷重に必要な単位変位RESVECは、フルセットアップのモーダル周波数解析またはモーダル過渡解析でのEIGVSAVE実行によってのみ計算できます(単位荷重RESVECの生成のみが可能なノーマルモード解析では計算できません)。SPCDを使用したEIGVRETREIVE実行では、すべてのEIGVSAVE SPCD自由度でSPCDを維持します。そうしないと、モーダル空間が変化して、このEIGVRETRIEVE実行でEIGVSAVEモーダル空間を使用できません。ただし、これらの自由度に適用されたSPCD制約値を異なる値に変更したり、ゼロに設定することができます。
        • PLOADi/GRAV/RFORCEを介して分散された静的荷重がEIGVRETREIVE実行に適用される場合は、部分的な固有ベクトルのオプションは使用できません。この場合は、次のユースケースをご参照ください。
    2. フルモデルの固有ベクトルを.eigvファイルに保存します:EIGVSAVEの実行時に、フルセットの自由度の固有ベクトルを.eigvファイルに保存すると、固有ベクトルの部分的なセットを要求するよりも長い実行時間が必要になる可能性があります。ただし、選択した荷重または適用ユースケースの一部として、このように保存することが必要になる場合があります。このアプローチでは、EIGVRETRIEVE実行にすべての自由度の出力を要求できます。
      • EIGVSAVE実行で全自由度の固有ベクトルを保存するには、AMSESとDISP=ALLを使用することを推奨します(この場合、すべての固有ベクトルが*.eigvファイルに保存されます)。
        注: 代わりに、EIGVSAVE実行でLanczosを使用して全固有ベクトルセットを保存することもできますが、AMSESを使用するとパフォーマンスが向上する可能性があります。
      • EIGVSAVEの実行時に、フルセットの固有ベクトルが*.eigvファイルに保存されるため、EIGVRETRIEVE実行にLanczosを使用するというシンプルなアプローチが推奨されます。こうすることで、RESVECEIGVRETRIEVE実行で再計算され、EIGVSAVEの実行時に*.eigvファイルに含める必要がなくなります。また、この方法は、EIGVRETRIEVE実行の任意のタイプの荷重(FORCESPCD)、またはPLOADi/GRAV/RFORCEを介した分散荷重に対して、一貫して機能します。