OS-E:3000 スポット溶接チューブ断面の最適化
2枚のシートメタル片で作られたチューブは、曲げとねじれ両方の荷重を受けることを意図されています。チューブの断面はあらゆる形状が可能ですが、製造要件により、長さ全体を通して一定でなければなりません。
モデルファイル
開始前に、この例で使用するファイルを作業ディレクトリにコピーしてください。
モデル概要
断面の最適化には従来の形状最適化が使用できますが、変数のセットアップには時間がかかります。トポグラフィー最適化とパターングルーピングを使用すると、わずかなセットアップ時間で断面形状の最適化を行うことができます。最適化のセットアップはすべて、HyperMeshのOptimization panelおよびそのサブパネル群を使って行います。
図 1に示すとおり、チューブの両端のフランジに荷重と制約条件が適用されます。チューブの2つの片は、フランジに沿って一定の間隔で、スポット溶接により結合されます。図 1. スポット溶接されたチューブの荷重と制約条件


チューブの初期断面は、大体円形になるよう任意に選択されます。チューブの形状が変化できるよう、2つの類似したトポグラフィー変数が定義されます。2つの変数は、青色と緑色の片を設計領域内に割り当て、一方、フランジは元の形状に留まります。トポグラフィー変数は下記のとおり、DTPGカードを使ってバルクデータセクションに定めます。
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
DTPG | 1 | PSHELL | 1 | ||||||
+ | 2.5 | 85.0 | NO | 5.0 | NORM | NONE | |||
+ | PATRN | 1 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 1.0 | 0.0 | 0.0 |
上限2.0、下限–2.0と組み合わされたドロー高5.0で、両方向(内向きと外向き)のビード高が10.0モデルユニット、ビード成長方向がチューブのサーフェスに垂直とします。この問題には、線形タイプのパターングルーピングが適用されます。すなわち、トポグラフィー最適化の間に形成されるビードは、定義された方向(ここではチューブの中心軸=X軸)に平行なラインに沿って一定となります。このパターングルーピングオプションを設定することにより、チューブの断面は変わることができても、チューブの長さ方向には一定に留まります。
最適化の目的は、両方の荷重ケースにおける重み付きコンプライアンスを最小化することに設定されました。ここでは、両方の荷重ケースは等しく重み付けされています。チューブの質量は初期値以下に制約されています。OptiStructは、このモデルについて、下記のソリューションを生成しました(図 2)。図 2. 最適化されたチューブの断面


ソリューションは完全にはスムーズではありませんが、チューブの基本的な形状ははっきりしています。チューブの下半分は、セクションの曲げ剛性を大きくするために低くされ、一方、チューブの上半分は、1つのフランジからもう1つのフランジに延び、ねじれ荷重により生じるせん断力をサポートしています(図 3)。図 3. 最適化の前後のチューブの断面

