CMSMETH
バルクデータエントリ CMS解析で使用する方法、周波数の上限、モード数、および開始SPOINT IDを定義します。
固有値ソルバーも指定されます。加えて、初期荷重、縮退とレジデュアルベクトル生成のための荷重が定義できます。また、最適化実行で区分モードを使用できるように、DMIGに対して、CELAS4とCDAMP3要素データや対応する設計変数定義を含むASCIIファイルを生成できます。
フォーマット
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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CMSMETH | CMSID | METHOD | UB_FREQ | NMODES | SPID | SOLVER | AMPFFACT | SHFSCL |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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+ | UB_FREQ_F | NMODES_F | SPID_F | GPRC |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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+ | PRELOAD | SPCID | PLSID |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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+ | LOADSET | USETYPE | LSID1 | LSID2 | LSID3 |
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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+ | DMIGDV | S | OUTOPT | NMODE | DVKUPFAC | DVGEUP | DVBUP |
例
(1) | (2) | (3) | (4) | (5) | (6) | (7) | (8) | (9) | (10) |
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CMSMETH | 5 | CBN | 1000 | 200 | 100000 | ||||
+ | 600 | 100 | 200000 |
定義
フィールド | 内容 | SI単位の例 |
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CMSID | CMSMETH識別番号。 (整数 > 0) |
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METHOD | 使用する区分モード合成法。 2
デフォルトなし(文字) |
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UB_FREQ | 構造部分の固有値解析用の上限周波数。
デフォルト = 空白(実数 > 0.0または空白) |
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NMODES | 構造固有値解析から抽出すべきモード数。
デフォルト = 空白(整数 > -1 、または空白) |
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SPID | 構造固有モードのDMIGマトリックス出力で使用する開始SPOINT ID デフォルト値はありません。 6 |
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SOLVER | 固有値ソルバー。
(文字) |
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AMPFFACT | 拡大係数サブストラクチャのモードはAMPFFACT*V2の周波数まで解かれます。より大きなAMPFFACTの値はより正確な結果となりますが、実行時間が長くなります。 9 デフォルト = 5.0(実数または空白) |
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SHFSCL | 振動解析の場合、最初の弾性モードの推定周波数。 12 デフォルト = 空白(実数または空白) |
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UB_FREQ_F | 音響部分の固有値解析用の上限周波数。0.0または空白の場合、上限は使用されません。 3 4 デフォルト = 空白(実数 > 0.0または空白) |
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NMODES_F | 音響固有値解析から抽出するモード数。-1または空白を設定すると、モード数は無制限になります。 3 4 デフォルト = 空白(整数 > -1 、または空白) |
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SPID_F | 音響固有モードのDMIGマトリックス出力で使用する開始SPOINT ID。 デフォルト値はありません。 6 |
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GPRC | グリッド関与リカバリー制御。 音響-構造インターフェースのグリッド形状データ(音響-構造インターフェースの関連モード)を計算し、外部スーパーエレメントを使用して保存できます。 GM(一般的なモーダル法の式)をMETHODフィールドに入力し、すべての境界自由度がフリー(BNDFREE)の場合にのみ適用できます。 固定されている境界自由度があり、GPRCにYESが設定されている場合は、エラーが発生してプログラムが終了します。 デフォルト = NO(YESまたはNO) |
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PRELOAD | CMS解析で初期荷重が用いられることを示すフラグ。 21 | |
SPCID | 初期荷重のSPCSET ID。 | |
PLSID | 初期荷重を定義するためのLOADSET ID。 | |
LOADSET | CMSスーパーエレメント生成実行で静的荷重が縮退されることを示すフラグ。 11 19 | |
USETYPE | 静荷重の縮退タイプ。 11 19
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LSIDi | レジデュアルベクトルかつ / または縮退荷重生成のための静的荷重ID。 | |
S | モデルの構造部分を選択します。 25 デフォルト = S |
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DMIGDV | DMIGに対して、CELAS4とCDAMP3要素データや対応する設計変数定義を含むASCIIファイルが生成されることを示すフラグ。 13 | |
OUTOPT | DMIGにどのように設計変数が書かれるかを定義します。 13 17 | |
NMODE | CELAS4およびCDAMP3内でのΔK/ΔGEおよびΔBに対する設計変数の数を定義します。 18
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DVKUPFAC | ΔKの上限を決めるために用いられます(これは(最大固有値)*DVKUPFAC)。DVKUPFACが指定されていない場合(DVKUPFACフィールドが空白)、 16 デフォルト:DVKUPFAC=0.1 |
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DVGEUP | ΔGEの上限。これはΔGEの全ての設計変数に対して適用されます。DVGEUPが指定されていない場合(DVGEUPフィールドが空白)、これはデフォルトで2*DVBUPに設定されます。 16 デフォルト:DVGEUP=2*DVBUP |
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DVBUP | ΔBの上限。これはΔBの全ての設計変数に対して適用されます。DVBUPが指定されていない場合(DVBUPフィールドが空白)、 16 デフォルト:DVBUP=0.4 |
コメント
- この定義は、入出力オプションセクションの中でCMSMETH実行コントロールで参照している場合以外は無視されます。
- 区分モード合成のために使用できるいくつかの方法として、以下のようなものがあります:CB, CC, CBN, GM and GUYAN (下記の説明をご参照ください)。
マルチボディダイナミクスソルバーで必要な入力タイプに応じて、さまざまな手法を使用して弾性体表現を生成できます。例えば、CBおよびCC法が、MotionSolve等のマルチボディダイナミクスソルバーで使用する弾性体の生成のために使用されます。一部のサードパーティーソルバーでCMSスーパーエレメント情報を生成するためには、CBN法を使うことができます(詳細については、サードパーティーソフトウエアのための出力生成をご参照ください)。また、これらの手法(CBN、GM、およびGUYAN)のいくつかは、以降の有限要素解析で使用する外部スーパーエレメント(DMIG形式で保存)を生成するために使用できます。
GUYANは構造固有モードを含まないCBNと同じです。GUYANを使用する場合、UB_FREQとNMODESは無視されます。
- 、NMODES、UB_FREQ_F、およびNMODES_Fをすべて空白にすることはできません。さらに、モデル内に構造要素がある場合、UB_FREQとNMODESの両方を空白にすることはできません。また、モデル内に音響要素がある場合は、UB_FREQ_FとNMODES_Fの両方を空白にすることはできません。
- UB_FREQ = 0.0で、NMODES = 0の場合は、どの構造固有モードもCMSモード生成に含まれない特殊なケースになります。UB_FREQとNMODESを両方指定すると、UB_FREQの下の最も低いNMODESが構造SPOINTとして受け付けられます。これは音響部分についても同様です。
- CBN方法を使用しているときに PARAM, EXTOUT, DMIGPCH(またはDMGBIN)を定義すると、縮退剛性マトリックスと縮退質量マトリックスに対応するDMIGマトリックスが出力されます。固有モードに対応する剛性と質量は、生成されたSPOINTに割り当てられます。
- 構造および音響のSPOINT IDには、異なるIDを付ける必要があります。音響SPOINT IDを複数の構造SPOINT IDの間に配置することはできません。
- PARAM,EXTOUTを使用してDMIGマトリックスを出力する場合は、入力ファイルに“OUTPUT,H3D,NONE”を指定してflexh3dファイルの出力を無効にすることができます。
- CBN方法で出力される節点のflexh3dファイルは、(ASSIGN,H3DDMIGを使用して)DMIG入力として使用できます。このように、flexh3dファイルに出力されるモデルセットは、残差構造の実行でDMIGマトリックスの内部ポイントとして復元されます。出力にはこれらの内部ポイントの変位が含まれます。
- AMPFFACTは若干長い実行時間で固有値と固有ベクトルの精度を増加させるのに用いられます。エンジンブロックやサスペンションコンポーネントのようなソリッドの構造では、より高いAMPFFACTの値が推奨されます。AMPFFACTを指定せず、モデルに多数のソリッド要素が含まれる場合、AMPFFACTの値は自動的に10にリセットされます。
- スーパーエレメントの質量特性 (質量、重心、慣性モーメント)がH3Dファイルに書かれます。レジデュアルランでは、これらの質量特性が構造の質量特性に含まれ、.outファイルに出力されます。
- 静的荷重縮退は、CMSMETHスーパーエレメント生成実行(METHOD=CBN/GUYAN)と弾性体生成実行(METHOD=CB/CC)でサポートされます。静的荷重縮退は、GMスーパーエレメント生成実行ではサポートされません。
- SHFSCLを指定することによって、振動解析のパフォーマンスが向上する場合があります。
- DMIGDVオプション継続カードを定義した場合、テキストファイル(ASCII)filename_dmig_dv.incが実行後に生成されます。このファイルは元の入力デックに含める事ができ、スーパーエレメントの固有値 / 減衰の変化がどのように残りの構造のパフォーマンスに影響するか検討することができます。
- オプション1で含まれるデータに加え、ASCIIファイルは設計変数定義を含むこともできます。これらの設計変数でスーパーエレメントで使用可能な固有値、構造減衰と粘性減衰をコントロールすることできます。元の入力デックにこのデータを含むことにより最適化問題を設定することができます。
- オプション2で含まれるデータに加え、ASCIIファイルは制約条件生成に必要なデータを含むことができます。これらの制約条件は最適化の間、n次のモードの固有値が(n+1)次のよりも小さくなることを保障します。
- ΔK、ΔBとΔGEの下限は、K、BとGEが常に0以上になるように設定されます。
- DMIGDV継続行は、CMSMETHのフィールド3でMETHOD = GM(一般モード定式化)の場合のみ働きます。 2
- ここで、ΔK、ΔGEとΔBはそれぞれ、固有値(K)、減衰係数(GE)と減衰値(B)の増加 / 減少を表しています。ASSIGN, H3DDMIGを用い、.h3dファイルに値K、GEとBを含める必要があります。
- LOADSETフラグは、最初の継続行のみに必要です。LSIDが含まれた複数の継続行にはLOADSETフラグは不要です。
- サードパーティ製ソフトウェアに対する弾性体の作成の詳細については、ユーザーズガイドのサードパーティーソフトウエアのための出力生成をご参照ください。
- STATSUB(PRELOAD)=SIDコマンドを使用して、区分モード合成の事前荷重サブケースを定義できるようになりました。これはPRELOAD継続行より汎用的です。任意の静的サブケースを事前荷重として適用できるからです。
- SDAMPING をCMSスーパーエレメントの生成に含めることはできません。SDAMPINGをCDSスーパーエレメントの生成に含めることはできます(CDSMETHエントリ)。結合されたCDSおよびCMS(METHOD=GM)スーパーエレメントの生成でSDAMPINGを使用した場合、SDAMPINGはCDSスーパーエレメントのみに含まれます。DMIGMODを使用して、レジデュアルランのSDAMPINGをCMS(METHOD=GM)スーパーエレメントに適用します。レジデュアルランのCMSスーパーエレメントにSDAMPINGが不要な場合は、対応するDMIGMODデータをモデルから除外できます。
- 周波数依存材料がモデル内に存在する場合、CMS実行はサポートされません。
- CMS実行から生成されるPUNCH出力ファイルには、ASET、BSET、CSETの各情報とそれぞれに対応する節点および座標系、さらに構造固有モードに対応するSPOINTが記述されます。
- 現在、SフィールドのDMIGDV継続行に対して、モデルの流体パートを選択することはできません。
- CC法とCB法を介した弾性体H3Dファイル生成では、H3Dは常にKg、N、mm、s単位系で出力されます。UNITSまたはDTI,UNITSエントリを介してOptiStruct内のFEモデルの単位を定義できます。詳細については、単位系をご参照ください。
- CMS縮退では、CVISC、CDAMPi、CBUSH(PBUSH上のB経由)を介した粘性減衰が生成実行中に縮退される可能性があります。ただし、SDAMPINGを介した粘性減衰は縮退されません。PARAM,CMSGDMP,YESが指定された場合、OptiStruct 2022以降では、PARAM,ALPHA1およびPARAM,ALPHA2を介したグローバルなレイリー減衰は縮退されます。
MATi上のGE、GEを使用したPBUSH、およびGEを使用したPELASを介した構造減衰は、生成実行中に縮退されます。PARAM,CMSGDMP,YESが指定された場合、OptiStruct 2022以降では、PARAM,Gを介したグローバルな構造減衰は縮退されます。
詳細については、ユーザーズガイドのマトリックスの直接入力(スーパーエレメント)をご参照ください。
- HyperMeshでは、このカードは荷重コレクターとして表されます。