チュートリアル:ダイカスト
チュートリアルレベル:初級 高圧ダイカストシミュレーションを設定して、この問題のトラブルシューティング状況を確認します。
この演習では、解析を実行して、高圧ダイカストプロセスで多く見られる鋳造不具合を回避する方法を学習します。このプロセスでは、鋳型に充填する際、早期凝固を回避できるだけの迅速さと、完成パートにポロシティが生じる原因となる空気と液体の混合を回避できるだけの緩慢さのバランスをとる必要があります。
モデルファイルは、インストレーションディレクトリのtutorial_modelsフォルダ内にあります(Program Files\Altair\2025\InspireCast2025\tutorial_models\handle.x_b)。
ジオメトリのインポート
- Inspire Castを起動します。
-
ファイルアイコンのモデルを開くをクリックし、インストレーションディレクトリのチュートリアルモデルファイルを参照するか、そのファイルをモデリングウィンドウにドラッグ&ドロップします。
鋳物パートの指定
- 鋳造タブをクリックします。
-
鋳物パートアイコンで鋳物パートの指定をクリックします。
-
鋳物パートをクリックします。
-
マイクロダイアログオプションを使用して、材料、鋳造材料、および温度を定義します。
湯口の作成
- 鋳造タブをクリックします。
-
ゲートアイコンでゲートの追加/編集をクリックします。
-
仮想ゲートの作成対象とするパートをクリックします。
-
マイクロダイアログオプションを使用して、ゲートの位置、形状、および寸法を定義します。
鋳型の作成
- 鋳造タブをクリックします。
-
コンポーネントアイコンをクリックします。
-
鋳型アイコンをクリックします。
-
次のように鋳型材料と温度を定義します。
基本セットアップの設定
- 鋳造タブをクリックします。
-
基本セットアップアイコンをクリックします。
-
初期速度を選択して「35m/s」と入力します。
解析の実行
- リボンから、鋳造タブをクリックします。
-
解析アイコンで解析の実行をクリックします。
-
湯流れ解析の実行と凝固解析の実行を選択します。
- 平均板厚として1.53019mmを入力します。
-
実行をクリックします。
注: シミュレーションの計算が終了すると、解析アイコンの上に緑色のフラグが表示されます。
注: 実行履歴の結果表示をクリックして結果を選択することもできます。
温度結果のアニメーションの実行
- 結果タイプで温度をクリックします。
-
再生をクリックしてアニメーションを開始します。
ポロシティ結果の表示
ステージで脱型をクリックし、結果タイプでポロシティをクリックします。


注:
- 空気の滞留などの不具合を防止するには、流入口のサイズ、形状、および配置を最適化します。ゲートの設定と配置を試して、解析を再実行することで、結果の違いを確認します。
- 流入口の最適な設定がわかったら、高圧鋳造の湯流れシステムを設計します。
新規モデルを開く
指定されたモデルを使用して、高圧鋳造解析を実行します。
- ファイル > 開くをクリックします。
- <インストール ディレクトリ>\tutorial_models\handlefull.x_bを参照して選択します。
鋳造材料と温度
- 鋳造タブをクリックします。
-
鋳物パートアイコンで鋳物パートの指定をクリックします。
-
鋳物パートをクリックします。
-
マイクロダイアログオプションを使用して、材料、鋳造材料、および温度を定義します。
鋳造方案の指定
- 鋳造タブをクリックします。
-
鋳物パートアイコンで鋳造方案の指定をクリックします。
-
ランナーパートをクリックします。
- チェックマークを右クリックして、マウスで移動して終了するか、または右ダブルクリックします。
重力方向の設定
- 鋳造タブをクリックします。
-
鋳物パートアイコンで重力方向の設定をクリックします。
-
マイクロダイアログオプションを使用し、重力の方向(z軸)を基準としてモデルの回転、向きの調整、または反転を指定します。
- チェックマークを右クリックして、マウスで移動して終了するか、または右ダブルクリックします。
鋳型の作成
- 鋳造タブをクリックします。
-
コンポーネントアイコンをクリックします。
-
鋳型アイコンをクリックします。
-
マイクロダイアログオプションを使用して、材料と温度を定義します。
ショットスリーブの生成
- 鋳造タブをクリックします。
-
コンポーネントアイコンをクリックします。
-
ショットスリーブアイコンをクリックします。
-
指定したランナーシステム上の湯口サーフェスをクリックします。マイクロダイアログで、ショットスリーブの直径を50mm、長さを 200mmに設定します。ピストンの速度を、 0秒と153.32秒で500mm/s、161.83秒と200秒で2500mm/sに設定します。
ダイカストパラメータの設定
- 鋳造タブをクリックします。
-
をクリックしてダイカストを選択します。
-
デフォルトでショットスリーブを使用が選択されています。ピストン速度調整テーブルには、前のステップで入力したデータがすでに入力されています。質量、ピストン初期温度、チャンバー初期温度、ピストン速度調整およびその他の欄にデフォルト設定を使用します。PQ2ダイアグラムの表示またはクランプ力の計算を選択する必要はありません。
注: ピストン速度調整テーブルの最初の速度では、液体がショットスリーブ内の空気と混ざらないように、ゆっくりと液体材料を移動させる必要があります。空気がショットスリーブから押し出されたら、ピストンの速度を上げることができます。
解析の実行
- 鋳造タブをクリックします。
-
解析アイコンで解析の実行をクリックします。
-
湯流れ解析の実行と凝固解析の実行を選択します。
- 平均板厚として3.06039mmを入力します。
-
実行をクリックします。
注: シミュレーションの計算が終了すると、解析アイコンの上に緑色のフラグが表示されます。
注: 実行履歴の結果表示をクリックして結果を選択することもできます。
温度結果のアニメーションの実行
- 結果タイプで温度をクリックします。
-
再生をクリックしてアニメーションを開始します。
湯流れ先端アニメーションの実行
- 湯流れ先端で結果タイプをクリックします。
-
再生をクリックしてアニメーションを開始します。
注: 湯流れ先端アニメーションでは、空気がどこで液体材料に混入する可能性があるのかが示されます。この混入により、完成品にポロシティが生じる可能性があるためです。
残存気泡結果の表示
結果タイプで残存気泡をクリックします。


注: 湯流れプロセス中に空気が閉じ込められる場所が残存気泡オプションに表示されます。この結果を使用して、パート内に空気を残さないよう、オーバーフローコンポーネントを配置する場所を決定することができます。
ポロシティ結果の表示
ステージで脱型をクリックし、結果タイプでポロシティをクリックします。


注: この結果は、構造的な弱点が生じる可能性のある材料の収縮が、凝固中にどこで発生しているかを示しています。