チュートリアル:押し湯とスリーブの追加

チュートリアルレベル:中級 等温スリーブを使用した押し湯と発熱スリーブを使用した押し湯との間で、そこに発生する凝固を比較します。

この演習では、スリーブが鋳造に及ぼす効果を解析する方法について学習します。

モデルファイルは、インストレーションディレクトリのtutorial_modelsフォルダ内にあります(Program Files\Altair\2025\InspireCast2025\tutorial_models\sleeve.x_b)。

ジオメトリのインポート

  1. Inspire Castを起動します。
  2. ファイルアイコンのモデルを開くをクリックし、インストレーションディレクトリのチュートリアルモデルファイルを参照するか、そのファイルをモデリングウィンドウにドラッグ&ドロップします。


鋳物パートの指定

鋳物パートツールを使用して、鋳造の形状を選択します。
重要: 他のどのような操作を実行する場合も、その前に鋳物パートを定義しておく必要があります。
  1. 鋳物パートアイコンで鋳物パートの指定をクリックします。

  2. 鋳物パートの候補を左クリックして選択します。
    パートは、現在置かれているカーソル位置に基づき自動的に検出され、ハイライトされます。
    選択したパートは赤色でハイライトされます。
  3. マクロダイアログで、パートの材料としてCast-Iron、パートの鋳造材料としてGJS-700-2を選択します。
  4. チェックマークを右クリックして、マウスで移動して終了するか、または右ダブルクリックします。

押し湯の追加

  1. コンポーネントツールをクリックします。

    2番目のツールグループで押し湯の追加/編集ツールをクリックします。

  2. 押し湯の作成対象とする1番目のアームで、そのエンドの中心をクリックし、各値はデフォルトのままにします。


  3. 別の押し湯の作成対象とする2番目のアームで、そのエンドの中心をクリックし、モジュラスを1.1に変更します。
    注: 2番目の分岐では、等温スリーブを使用します。等温スリーブを使用すると熱が維持され、パートに押し湯を長時間供給できるので、押し湯を小さくすることができます。


  4. 別の押し湯の作成対象とする3番目のアームで、そのエンドの中心をクリックし、モジュラスを1.0に変更します。
    注: 3番目の分岐では、発熱スリーブを使用します。発熱スリーブを使用すると、その燃焼中に熱が放散され、パートに押し湯を長時間供給できるので、押し湯をさらに小さくすることができます。


スリーブの追加

  1. コンポーネントツールをクリックします。

    2番目のツールグループでスリーブの追加/編集ツールをクリックします。

  2. 2番目のアームの押し湯をクリックし、その上面にGeneric isothermalスリーブを作成して、温度として20° C、板厚として10.5mmを入力します。


  3. 3番目のアームの押し湯をクリックし、別のGenetic exothermalスリーブを作成して、温度として20° C、板厚として8.9571mmを入力します。


  4. チェックマークを右クリックして、マウスで移動して終了するか、または右ダブルクリックします。

解析の実行

  1. 解析アイコンで解析の実行をクリックします。

  2. 解析の実行 ダイアログの Stagesタブで、 湯流れ解析の実行の選択を解除します。
    注: ここでは、湯流れ解析は必要ありません。また、ゲートを追加しなかった場合、湯流れ解析は実行されません。
  3. アドバンストタブを選択し、ゲート、鋳型、ランナー、押し湯などのコンポーネントのメッシュ係数を手動で選択します。

  4. ステージタブを選択して、実行をクリックします。
    注: 実行をクリックすると、鋳型が自動的に生成されます。
    注: シミュレーションの計算が終了すると、解析アイコンの上に緑色のフラグが表示されます。

結果の解析

  1. 解析ツールで、緑色のフラグをクリックします。
    注: または、実行を選択して実行状況ウィンドウの結果表示をクリックして結果を読み込むこともできます。


  2. 結果タイプ凝固領域をクリックします。


  3. 凝固領域の比率を0.70に設定します。


    注: 凝固領域の値はデフォルトで0.7に設定されています。ほとんどの場合、これは流動体が流動を停止する値に相当します。
  4. 再生をクリックしてアニメーションを開始します。

    アニメーションでは、凝固した材料(0.7より大きい値)は透明となり、液体の材料(0.7より小さい値)は色付きで示されます。引け巣は、隔離された領域で発生しやすくなります。

    2番目の押し湯と3番目の押し湯のサイズが小さくなっているにもかかわらず、スリーブの効果によってパートに材料を長時間供給できるようになっています。



  5. ステージ脱型をクリックし、結果タイプポロシティをクリックします。


  6. 凝固領域の比率を100%に設定します。


    押し湯のサイズが違うにもかかわらず、スリーブの効果によってすべてのポロシティがパートではなく押し湯に形成されています。